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自転車再開

by 唐草 [2020/07/20]



 先週、近所のホームセンターへ自転車で行って愕然としたという投稿をした。たった10分自転車に乗っただけだと言うのに、太ももがプルプルと生まれたての子鹿のように弱々しく震えてしまったのだ。これは自転車を愛するものとしてこの上なく恥ずかしい状態である。
 体力も筋力も、そして心肺機能も落ちるところまで落ちてしまったという揺るぎない証拠だ。10分の乗車なんていうのは物の数に入るレベルの運動量ではない。例えるならば、これからサッカーでもしようと思って準備体操をしたら息が上がって、筋肉が震えだしてしまったようなものだ。ピッチに立つ資格なんてない。
 この事実は、ぼくを大きく落ち込ませた。これまで築き上げてきたものが、いつの間にか崩れ去ってしまっていことに気がついたような喪失感をもたらした。自転車を気持ちよく操れる体を維持できているという自負は、ぼくの中では大きな精神的支柱だったようだ。少なくとも丸々と肥えたオタク連中とは違うんだという自信につながっていた。それが低レベルな争いだとしてもだ。
 目に見えないコロナウイルスを恐れて逃げて隠れていた結果が、貧弱で脂肪ばかりの体である。ウイルスに罹患していないだけのこの体を健康体と呼ぶことはできるだろうか?とてもじゃないけれど健康体とは呼びたくない。どう考えても、不健康の側に足を踏み入れている。
 短期間であれば自粛に自粛を重ねて地下壕にこもるような生活を続けることができる。それにも限界がある。人の体はちゃんと動かしてやらなければ、衰えていく一方だ。
 コロナウイルスへの理解も少しだけ進んでいる。何が危険で、何が安全なのか。まだ明確な境界線は浮かび上がっていないが、境界線がどの辺にありそうなのかは分かってきている。少なくとも目隠しをして地雷原を歩いているような状態は去った。もう逃げて隠れているだけの段階ではない。次なる一歩を踏み出さなければならない段階へと進んだとぼくは確信している。
 だから、4ヶ月ぶりにサイクリングへと出た。マスク着用で自転車なんか漕げないので、22時ぐらいの人気が減ってきたタイミングを狙って夜の街(の人気のない場所)へと繰り出した。
 10km走ってヘロヘロ。ショックなのは8速あるギアの5速までしか使えなかったこと。筋力落ち過ぎで重いギアを回せなかった。