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怪物の実力を計る

by 唐草 [2020/08/22]



 昨日、職場に導入した32コア/64スレッドのモンスター級サーバマシンの性能試験を行った。今までは管理者しかアクセスできない状態だったので性能はベールに包まれていた。ついに真の性能を発揮する時がやってきたのだ。
 試験の方法は実際に負荷をかけるために同時に多人数に利用してもらうという単純だが実践的なもの。ベンチマークソフトを利用したきれいな試験ではない。ベンチマークソフトの利用がジムでのトレーニングみたいなものだとすれば、今回の試験は屋外に出て本番コースを走るようなものだ。
 以前に別機材で実施した性能試験の結果を受けて、意気込んで試験準備を進めてきた。機材の性能差を考慮して前よりも遥かに大きな負荷がかかる過酷な試験が出来上がっていた。
 だが、性能を図ろうという試みは残念ながら完全に失敗に終わってしまった。
 問題の1つは試験日程が急に決まったので十分な人数を集められなかったこと。前回は500人ぐらい集めることができたのだが、今回はその1/10程度しか集まらなかった。とは言え、人数が1/10でも試験は実施できる。結果を10倍にすれば、前回規模の試験を実施たときの負荷を推し量ることは可能だ。
 ところが、推測してみようという試みすらうまく行かなかった。
 機材にトラブルが発生して試験が失敗したわけではない。すべて順調に運んでいた。それは順調すぎるほど順調だった。まさかこの順調さが問題になろうとは。完全に想定を超えたことが起こってしまった。
 試験中CPU負荷はほぼ0%を指したままだった。10秒間の平均負荷で1%を記録したのが最高負荷。スレッドごとの負荷でも2.7%が最高だ。全部で64スレッドが動いている全体から見れば、2.7%の1/64の負荷でしかなかったことになる。あまりの負荷の小ささに別のサーバを監視しているのではないかと不安になったほどだ。
 計測値が小さすぎて誤差の範囲なのである。こんな小さな値では10倍しても正確な予想をするのは難しいだろう。
 この結果はモンスターマシンの性能を過小評価してしまったからに他ならない。怪物は想像を遥かに超えた本当の怪物だったのだ。