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偶然の一致

by 唐草 [2019/08/31]



 ぼくにとってPC関連機器は商売道具だ。それは、大工にとってのノコギリやカンナと言った大工道具と同じ。PCとその中のパーツ、そしてネットワーク機器と言ったハードからOSや開発ツールなどと言ったソフトに至るまで、すべて自分の判断で導入や管理を行っている。より快適で管理しやすく堅牢なPC環境を築こうと試行錯誤を重ねているし、意図せぬトラブルが発生して四苦八苦したりもしている。
 これまでに遭遇したトラブルの数は、大小合わせて数え切れないほどある。突然の故障などで大きな痛手を被ったことも少なくない。でも、そのトラブルを乗り越えることでレベルアップを果たしてきた。流した涙の数だけと言うか、発狂して猿のような奇声を上げた数だけ強くなったのである。
 そのかいあって、今ではトラブルが起きそうな事案や予兆を前もって察知できる様になってきたし、トラブルが起きたとしてもすぐに原因を突き止め対処することができる。
 先日、職場のルータが新しいものに変わった。拠点間VPNの導入が必要になったので、個人ではまず買わないお高い機器が部屋に置かれることになった。複雑なネットワークを構築するための機器なので、ネットワークの教科書に出てきそうな細かいところまで手動で入力する必要があった。雑な設定をして動かなかったりとか、深読みしすぎて無意味な設定をしてしまったりとかいくつかのトラブルもあった。でも、どうにかネットは繋がるようになった。
 家に帰ったあと1つだけ仕事を忘れていたことを思い出した。こんな時はリモートデスクトップでの出番だ。さっそくログインしようとしたのだが、職場のPCはオフラインになっていてログインできなかった。
 1年以上なんの問題もなく利用できていたリモートデスクトップが、ネットワーク機器を取り替えた日に利用できなくなった。原因は1つしか考えられない。ルータの設定をミスったに違いない。
 翌日、職場で設定の確認を行った。ところが、設定は何一つ間違っていなかった。ネットワークは完璧だったのだ。
 さらに原因を調べたら驚くべき偶然が見つかった。ネットワーク機器を交換したその日にリモートデスクトップソフトのバージョンアップがあったそうだ。それが原因だった。ネットワーク機器交換という大事があたので、完全にソフトの可能性を見過ごしていた。ぼくの知識と経験が裏目に出た瞬間である。
 とは言え、よりによって機器交換日とソフト更新日が重なるなんて。こんな偶然、あっていいのかよ。