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かわいい名前

by 唐草 [2020/09/22]



 急に日本近海に出現した台風12号。天気図をしっかりチェックしていたのなら驚きのない台風の発生だったかもしれない。でも、ぼくのように「明日の天気」しか見ていない者にとっては不意を突く出現だった。
 関東に台風が直撃することは年に数度ある。とは言え、そのほとんどが先に九州や四国に上陸している。だから洋上でエネルギーを最大まで蓄えたフルパワーの台風ではない。今回のようにどこにも寄り道せず関東に向かってくるケースは少ないし、そのほとんどが大きな被害の爪痕を刻んできた。ゴルフ練習場の柱をなぎ倒して甚大な被害を引き起こした2019年の台風15号は記憶に新しい。
 2020年の台風12号は、どんな爪痕を残すのだろう?まだ中心気圧は並の数値だが、用心しておいて損はないはずだ。
 台風の話をするときは「台風〇〇号」と呼んでしまう。日常会話だけでなく、ニュースでも「台風〇〇号」と呼んでいる。長らく事務的なこの名前が使われて続けている。だから台風のことをまるで機械や乗り物のように「号」と呼んでしまう。
 一方で太平洋周辺の国々で台風に共通の名前を付けている。加盟国の動物や星座の名前なんかが命名リストに記載されていて順番に使っているらしい。ちなみに今回の台風12号の呼び名は「DOLPHIN」らしい。イルカだ。こう呼ぶと、だいぶかわいく感じられる。
 番号呼びと名前呼びのどちらが良いのかは分からない。アメリカで人名呼びが定着していることからも、無機質な名前にしないと警戒を促せないなんてことはないはず。また名前によっては知人を思い起こして番号以上に恐れを抱くかもしれない。
 せっかく名前がついているのだから、もっとこれを活用する術はないのだろうか?せっかく太平洋に接する諸国の文化を知られるように凝った仕組みになっているのだから、研究者のファイリングのためだけに使うのはもったいない。現状のままでは国際色豊かな命名リストは宝の持ち腐れでしかない。
 とは言え、台風が来るというピンチのときに勉強している余裕なんて無い。志と実態が噛み合っていないんだよなぁ。