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自由は収束する

by 唐草 [2020/06/20]



 大好きなゲームだからこそトロフィーをコンプリートしたい。こんなゲーマー特有の不毛な考えがぼくの頭を支配している。
 その結果、2週間ぐらい前から重い腰を上げて『Fallout 76』の2周目を本格的に進めだした。周回しないと取れないトロフィーがあるのになかなか着手できなかったのは訳がある。
 このゲームはできることが限られている序盤の方が辛い。ポイントは「辛い」のであって「難しい」のとは違うところ。メインのやりこみデータでは湯水のごとく使えるようになっている消耗品が、序盤だと限られている。だから、しっかりとリソース管理をしないと瞬く間にジリ貧になってしまう。まず初めにリソース管理を学ばせるゲームデザインなのだろうし、それはよくできている。だが、一度楽を知ってしまうと事あるごとに「ダクトテープがない!探しに行かないと」と振り回されるのが窮屈に感じてしまう。
 だから、2キャラ目は作ったものの長い間ずっと放置していた。そんなぼくを後押ししたのは、ちょうど開催中だった経験値2倍キャンペーン。辛い序盤を一気に駆け抜けられるのならやってやろうじゃないか。こうして2週目の冒険は幕を開けた。
 1年以上前に右も左もわからぬままクエストマーカーを追いかけていたので、メインシナリオの細かいところは結構忘れていた。また、悲劇的なシナリオの終着点を知ってから遊んでみると見え方も違ってくる。まるで新作DLCで遊んでいるような気持ちで、見知ったフィールドを駆け抜けている。
 2週目を始める際にメインとは違うキャラ育成を目指そうと考えていた。メインキャラは頑強なインテリというステータス配分だ。その実体は、鉄の胃袋ビルドで腐った肉を汚れた水で流し込む知性の欠片もない振る舞いをしている。
 今度は頑強さや賢さではなく、素早さを重視した一撃必殺のアサシンスタイルを目指そうと考えていた。
 初めこそ素早さを伸ばしていたのだが、腐っていない肉を食べても病気になる貧弱なキャラに我慢ができなかった。また素早さのメリットもあまり感じられなかった。そんなことを考えながらプレーを続けた結果、結局メインと同じ頑強なインテリ2号が完成しつつある。
 自由が許容されるシステムが目の前にあっても、使う人が同じなら同じ結果にしか収束しないようだ。