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無糖ブラック

by 唐草 [2019/05/27]



 こう暑いと体の中の水分がどんどん奪われていく。屋外にいれば暑さにやられて汗として水分が減っていく。冷房がフル稼働しているので屋内にいても汗とは違う形で水分が奪われていく。とにかくどこにいてもぼくらの体は水分不足。だから継続的な水分補給が欠かせない。
 じゃあ、何を飲むのがいいのか?
 体への吸収を考えればスポーツドリンクがベストだろう。でも、ぼくはPCの前に座っているだけで体を動かしていない。エネルギーを補給しても柔らかい腹に蓄えられるだけだ。ぼくなんかは水で十分なのかもしれない。そうは分かっているけれど、気分転換を兼ねて味の付いたものが飲みたくなる。
 冷やした麦茶、烏龍茶、ほうじ茶あたりが、ここ最近の水分補給の要となっている。でも、主張の弱いお茶類と言えども立て続けに飲んでいるとさすがに飽きてくる。今日は、いつもと違うものを飲みたい気分だった。ただ、甘いものは飲みたいくははない。
 そこで、白羽の矢が立ったのが無糖のブラックコーヒーである。
 前々から書いている通り、ぼくはコーヒーで生きている。採血した血液から高濃度のカフェインが検出されても不思議はないほどの摂取量である。でも、ペットボトルのコーヒーは甘すぎるので飲む機会が少ない。どうせ甘いコーヒーを飲むんだったら、徹底的に甘いコーヒー牛乳のほうが潔くて好きだ。そんな好きすぎるがゆえのよく分からないこだわりがある。
 甘くない無糖なら飲んでいいかな。そんな思いもあり、無糖ブラックにチャレンジしてみた。
 この判断は、大間違いだった。
 ぼくはコーヒー好きだが、カフェラテなどのミルクが入ったコーヒーが好きなのだ。砂糖すら入れないブラックは、ぼくが求めているまろやかなコーヒーからは程遠い。暑さのせいか、そのことをすっかり忘れていた。
 数口飲んだだけでほとんど減った感じのしないペットボトルを片手にぼくは困り果てていた。手元に牛乳でもあればアイスミルクコーヒーにして飲めたのだが、今日に限って牛乳が切れていた。これ以上飲みたくはないのだが、ケチな性分なので捨てることはできない。アルコール度数の高い酒をチビチビ飲むかのように少しずつ啜るようにして飲んでいった。ブラックはコーヒーの香りが強いのは認めるが、自分の吐く息がコーヒー臭いと感じるのはいかがなものかと思う。きっと周囲に迷惑を振りまいていたに違いない。
 600mlの無糖ブラックコーヒーを飲み干すことは、人生でもっとも苦く苦しいコーヒー体験となった。やはりコーヒーは、牛乳を入れてこそ至高のものに昇華するのだと確信した、今日の午後。