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お仕事スイッチ

by 唐草 [2020/04/13]



 自発的に在宅勤務に切り替えてからすでに2週間が経過している。その間、自宅から徒歩で動ける狭い範囲でしか行動していない。
 ぼくに限らず多くの人が様々な理由から外出を自粛していることだろう。普段とはまったく違う自粛尽くめの生活に窮屈さや息苦しさを感じている人も多いに違いない。
 幸運なことにぼくは、ほとんどストレスを感じていない。それどころか、自宅で指先を動かすだけで多くの仕事を片付けられる今の環境が体に馴染んでいるとさえ感じている。長らく続けてきたフリーランス時代の生活リズムとほとんど同じだからだ。これこそ自分のあるべき姿だと確信している。
 これは少数派の感想なのかもしれない。多くの人は自宅での作業に戸惑いを感じているとの報道もあった。自宅に仕事スペースが無いという問題もあるだろう。でも、戸惑いの本質はそこではないと考えている。
 多くの人は、在宅作業の際に頭を自宅モードから仕事モードに切り替えられないことに戸惑っているのではないだろうか?
 在宅勤務だと自分を見張る周囲の目がない。仕事をせずにテレビを見たり、ゲームに興じていても咎められない。また、始業時間も終業時間も無いので、いつから仕事を始めて、何時間仕事に取り掛かれば良いのかも分からない。だから自分が自宅モードなのか仕事モードなのかハッキリしない状態に陥りやすい。
 通常、自分のモード切替は外部からの制約に頼る事が多い。9時から始めて17時までといった時間による制約。オフィスに入ってから出るまでという場所による制約。これらの環境や行動が、無意識に頭のモード切替スイッチを押しているのだとぼくは考えている。通勤はある種の儀式と呼べるだろう。
 在宅勤務で無意識の儀式を失った結果、自分を切り替えられずに戸惑ってしまうのだろう。
 ぼくはモード切替スイッチを自在に操れると自負している。それもデジタルのように瞬時にオンオフできる。子供頃から切替が得意だったので、ゲーム機の電源を切った瞬間宿題に取り掛かることも朝飯前だった。頭のモード切替スイッチを自在に操れるからこそぼくは長らく在宅フリーランスとして活動できたのだろう。通勤がイヤだとダダをこねるだけでは、在宅フリーランスは務まらないはずだ。
 こういう状況になって初めて自分の性分を理解できたようだ。