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スマホ片手に歩け

by 唐草 [2020/03/03]



 新しいスマホを購入して変わったことはあるだろうか?8インチのタブレットから6インチのスマホへの変更なので、性能よりも大きさの変化のほうがずっと気になっている。ポケットに入るようになったのはいいことだが、ポケットに入れるにはちょっと大きい。結局、タブレットと同じように鞄のポケットに入れている。そのせいで新しいオモチャを持っているという喜びは薄い。
 とは言うものの、1つだけとても気に入っている機能がある。それが万歩計機能である。今となっては別に珍しくもなんとも無い機能であるが、ぼくが持つ機種で万歩計が搭載されているのは今回が初めてなのである。
 万歩計と言えば、小学生の頃に親が持っていたデジタル式の万歩計でよく遊んだものである。しっかりと握って短時間に何回振れるかを計測しては喜んでいた。連打ゲームとして使っていたのだ。まったくバカである。
 当時と比べると万歩計のセンサーは大きく進化しているようだ。歩行時の揺れのみを検知して、不自然な振動はノイズとして除外してくれる。男子小学生にはガッカリな進化かもしれないが、より正確な値を知ることができるようになっている。ぼくにとってこの進化は、嬉しさ半分悲しさ半分と言ったところだ。
 自分の行動を数値化して確認できるというのは、なかなか楽しいものだ。通勤でも思っていたよりずっと多く歩いていたのは嬉しい驚きである。ムダに広い職場の広さを歩数で実感することもできた。バスを使わず歩いてみようという冒険心も生まれた。アプリが記録した数字を眺めると、不思議と満足感に包まれる。これは自転車にスピードメーターをつけたときと同じ類の満足感だ。
 万歩計という別にスマホを使うまでもない機能に喜んでいるぼくだが、『ポケGO』や『DQウォーク』を楽しむことはできなかった。どうしてもアプリに歩かされているような押し付けがましさを感じてしまうせいだろう。
 ぼくはサイクリングでも散歩でも、風に流される風船のように目的地も時間も決めずに気の向くままに歩くのが好きだ。そんなぼくにとっては、歩数という飾り気のない素直な数字が一番のご褒美なのだろう。
 電話もSNSのメッセージも届かないぼくだが、万歩計があればちゃんとスマホを携帯するのである。