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5月の真夏日

by 唐草 [2019/05/25]



 天気予報が的中したことは素晴らしいのだが、予報されていた内容が内容だけにうんざりである。なんなんだこの暑さは。自宅周辺は、すでに30℃を突破して真夏日を記録している。ぼくの記憶が確かなら、まだ5月だぞ。この暑さは7月のそれである。いきなりこんな温度がやってきたら体がもたない。せめてもの救いは、今日が休みだったことである。
 この暑さの中で一番最初に行った仕事は、ストーブの収納である。リビングには、まだガスストーブが出ていた。ストーブなんて見ているだけで暑くなるので、気分的にも涼しくなるための仕事である。例年このぐらいの時期にストーブを掃除して、押し入れの奥へと封印するようにしまう。それ自体はいつもの仕事なのだが、汗をかきながらストーブをしまった記憶なんて一度もない。このことからも準備が間に合わないほどの勢いで暑さがやってきたということがよく分かる。
 そして次に行ったのが、エアコンのフィルター掃除である。ゴールデンウィーク明けからずっとストーブは使っていなかったとは言え、ストーブをしまったその日にクーラーを稼働させる羽目になってしまうなんて夢にも思わなかった。
 今のぼくは、クーラーの稼働しているカーテンを閉め切った薄暗い部屋で半袖の麻の服を着てへばっている。その姿は、ほぼ夏休みそのものである。半ズボンを引っ張り出す余裕は残されていなかったことと、急遽稼働させたクーラーから噴き出る冷たい風の中にほのかに納豆を思わせるようなカビ臭さがあることが、まだ夏休みではないという現実を告げている。
 冷房のおかげでどうにか生きながらえているが、もしクーラーがなかったら冗談抜きで熱中症になっているかもしれない。ぼく自身、まだ体が夏モードになっていないことを強く感じている。体感として爽やかな汗がかけていない実感がある。まだ汗をかき慣れていないという感じだ。
 そして自分の体と同じぐらい心配なのが、自宅に設置されたサーバを含むネットワーク機器たち。生身のぼくよりは熱に強いとはいえ、気温が30℃を超えるとファンがうなりを上げて回りだす。送風機代わりの扇風機もまだ設置していないし、ルータ用のヒートシンクも外したままだ。焦げたり溶けたりすることはないだろうが、暑さで機械の寿命が縮むのではないかと不安になってしまう。
 電子機器たちは懸命にファンを回して暑さと戦えている。でも、ぼくはもうダメだ。この暑さに完全に負けている。明日も明後日も暑いと天気予報は告げている。このままでは、体が暑さに慣れる間もなく音を上げてしまいそうである。まだ5月だというのに、早くも今年の夏を乗り切れる気がしない。