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おやすみRyzen

by 唐草 [2020/12/01]



 先月の初めに新しいPCを注文していた。注文と言っても、職場で使うPCなので自分で直接注文したわけではない。ぼくがやったのは、何人もがハンコを押すように設計された職場の備品購入申請書に欲しいPCの名前と価格を書いただけ。その書類が大勢の事務員の手を経て、最終的にお偉いさんの承認が降りるかは雲の向こうのできごと。分厚い事務処理の壁がはだかっているので、家電量販店に積まれているようなありふれたPCを購入するだけでも1週間以上かかる。今回ぼくが注文したのは、ドスパラのちょっとレアなBTO PC。うまくことが運んだとしても、地球半周分ぐらいの寄り道したのと同じぐらい時間がかかっても不思議はない。
 注文して以来、毎週返事を待っていた。ダメならダメと言ってくれたほうがずっと楽なのだが、可否に関する音沙汰は無いままだった。そして待つこと4週間。ようやく結果が出た。
 ぼくの注文は無事に受理され、mini Regulus II AR5という小さなPCはぼくの元へとたどり着いた。
 このPCは、Ryzen 5 Pro 4650という妙なCPUを積んだミニPC。本体が小さいことはカタログの数字で理解していたつもりだったが、現物の想像以上の小ささに驚いてしまった。食パン1斤より少し小さいぐらいで、手のひらにも載せられる。PCの中を覗くと大きなCPU冷却ファンしか入っていないように見える。
 このPCはリモート作業の母艦として購入した。机の片隅でモニターにもキーボードにも繋がれず、まるでサーバのようにひっそりと稼働させることになる。だから小さくて省電力であることが何よりも重要。
 PCのセットアップもリモートで行おうと考えていた。リモートデスクトップアプリと職場指定のセキュリティーソフトだけインストールして帰宅した。
 仕事といえども自分のPCのセットアップは別腹である。時間外でも、給金が発生しなくても熱心に取り組める。
 さぁ、ログインだ。
 と思ったら、PCはオフラインだった。どうもスリープ設定を切りそこねていて、勝手にスリープに入ってしまったようだ。これじゃ何もできない。
 明日はスリープを解除するためだけに出社することになるかもしれない。再起動のためだけに数度出社したことはあったが、それ以上にPCに使われている気がする。リモートワークの完敗である。