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ビールハット

by 唐草 [2019/03/24]



 『Fallout 76』で遊んでいたら妙なデイリーチャレンジが表示されていた。もっとも「テキーラを飲みたい!」というだけの理由で自国内に自分で小型核ミサイルを撃ち込むようなゲームに妙だとかツッコミを入れていたらキリがないことは分かっているんだけど…。
 表示されていたのは「酔っぱらった状態でビールハットを装備して酒を仕込め」というチャレンジ。先日のアップデート以来、本当にアルコールがらみのチャレンジしか出題されていない。新要素を無理やり遊ばせようとしているだけなのか、それとも開発スタッフが酔っぱらっているので毎日同じようなチャレンジしか出さないのか判断に迷うところである。
 2100年のファーミングシミュレーターゲームに変貌を遂げたゲーム内のぼくの拠点なら、記憶が無くなるほど酔っぱらっていようとも酒を仕込むのは簡単だ。問題は「ビールハット」なる装備品である。いったい何なんだろう?ビールハットなんてゲーム内でもリアルでも見たことも聞いたこともない。
 何のヒントもない状態でぼくが思い浮かべたのは、ビールの本場であるドイツの醸造家が被っていそうな伝統的な帽子なのではないかという推理である。何となくハンチングっぽい形な気がする。この想像通りなら今日のチャレンジは、自分で仕込んだ酒に酔うちょっとだらしないけど陽気な醸造家という風体になるのだろう。
 まずは、ゲーム内でビールハットをゲットするところから始めよう。とは言え、マップが広大なので自力で探していたらデイリーチャレンジの期限を迎えてしまうだろう。ここは攻略サイトに頼るのが賢い選択だ。サイトの情報に導かれ最短距離で帽子をゲットできた。だが、帽子の形は想像と全然違っていた。野球キャップの周囲に3つぐらい空き缶が付いていて、それぞれが細いホースでつながっていた。なんなんだ、この帽子は!?
 改めてビールハットでググってみてその正体を理解した。
 ビールハットとは、手放しで缶ビールを飲むために酒のみが考案した酒飲みのための帽子だそうだ。頭にセットした缶ビールを細く長いストローでチューチュー飲むというイカれた品だ。ぼくの周囲にはお酒好きも数名いるが、彼らでさえここまで過激な飲み方はしていない。アルコールに弱いぼくがこんな飲み方をしたら間違いなくぶっ倒れることだろう。どう見ても、酔っぱらった頭で考えた帽子である。
 ぼくがビールハットを被るならビールじゃなくてコーラをセットするだろうな。でも、350ml缶を一度に3本も飲める気がしないし、飲みたくもない。シラフじゃ絶対に思いつかない発想にあきれを通り越して感心に近い感想を抱いたことだけは認めよう。