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一晩でガラリと変わる

by 唐草 [2020/09/20]



 最近のゲームは、1人プレーのオフラインゲームでさえアップデートがある。不具合を修正して快適な環境を運んでくれるアップデートなら大歓迎だが、裏技的な美味しい稼ぎや楽な戦術を封じるための更新は素直に受け入れられない。できなかったことができるようになるのは嬉しいが、できたことができなくなるのは不満しか産まない。
 オフラインゲームなら更新無視という荒業で快適な環境を維持することはできる。モンハンワールドでボウガンの修正が入ったとき、ぼくはPS4のLANケーブルを抜いてまでアップデートを拒否した。しかし、抵抗したままだと追加要素を何一つ遊べない。快適な現環境と魅力的な新環境を天秤にかけて心は揺れた。最後はぼくが白旗を揚げて事態は収束を迎えた。
 相手がオンラインゲームだとアップデートの拒否権はない。さらにアップデート前後で世界がガラリと変わるぐらいの変化が起きることもある。目が覚めたら最強武器がゴミになっているなんてことが起こりうる。
 こういう大きな変化を伴うアップデートが配信されると掲示板やSNSなどのユーザコミュニティーは大いに荒れる。不幸自慢大会のように自分がどれだけの被害を被ったかを声高に叫ぶ者、匿名を傘に開発者への罵倒を並べ立てる者、他のゲームでの例を引き合いにこの変更がいかに愚策かを述べる者。人の嫌な面の見本市のようだ。
 部外者からすれば「ゲーム相手になに熱くなっているんだ?」と滑稽に見えることだろう。でも、遊んでいる者として受け入れがたい気持ちもよく分かる。だって、これまでの努力を水の泡にされるようなものだから。
 先週配信されたアップデートで環境が激変した『Fallout 76』。恨み節を唱えている人も少なくない。ぼくは、そんな連中の醜い書き込みを見てほくそ笑んでいる。
 だって、今まで地味だったぼくのビルドが一躍最強候補に躍り出たのだから。今まで我が物顔だった上位(廃人?)層を尻目に悠々とプレーできるのは最高だ。
 とは言え、ぼくの天下も次のアップデートまでだろう。次はぼくが開発を罵り、悲劇のヒロインを気取るときだ。準備はできている。