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過去最大の100円

by 唐草 [2019/08/24]



 ぼくは帽子好きだ。貧相な頭を隠すという重要な目的もあるが、それ以上に唯一のオシャレアイテムとして価値を見出している。季節や外出先に合わせていくつかの帽子をつっかい分けている。使い分けていると言ったものの、ぼくの頭の上に載っている帽子は9割がたハンチングだ。ハンチングが好きだというのもあるけれど、それだけが圧倒的なハンチング装備率を支えているわけではない。
 夏場だったら麦わら帽子やメッシュな中折れ帽とかの方が、見た目にも夏らしいし、帽子の構造的にも涼しいので暑い季節に適している。冬だったらフェルト帽や山高帽を被りたい。こう考えているのだが、夏はメッシュ地のハンチングで、冬は生地の目の詰まったハンチングというのがぼくのスタンダードとなっている。
 ハンチングを選んでしまう要因は自転車にある。野球帽のようなキャップと同じぐらい深く被れるハンチングは、風が吹いても飛ばされることがない。だから自転車を颯爽と乗りこなすときは、飛ばされる心配のないハンチングが好都合なのである。日常の足として毎日のように自転車を利用しているぼくは、必然的にハンチングを選ばざるを得ないのである。
 本当はいろいろな帽子を被りたいと考えている。でも、自転車に乗るたびに帽子を飛ばされていたら大変だ。飛ばされた帽子を取りに戻るのも面倒だし、飛ばされた先で帽子が車に轢かれてしまうかも知れない。守りに入ったぼくは、もう何年もこんな風に考えてハンチングだけを手に取っていた。
 だが、この夏ぼくの頭の上にはハンチング以外の帽子が載っていることが多かった。ついにぼくは自転車と帽子を両立させる術を手に入れたのである。
 それが100均でゲットしたゴム紐である。ゴム紐と言っても小学生の紅白帽についているようなアゴ紐ではない。もう少しスマートなアイテムだ。30cmぐらいの黒いゴム紐の両端にプラスチック製のクリップが付いたゴム紐である。クリップの片方を帽子に、もう一方を襟などにつければ準備完了。仮に帽子が風に舞ったとしても、ゴム紐で結ばれているので体から落ちることはない。
 このゴム紐を入手して依頼、日替わりで様々な帽子を被ることができている。自転車に乗っている間に帽子が飛ばされることを心配しなくていいのも良い。運転に集中できている。そして、毎日のように帽子が宙を舞っているのだが、帽子へのダメージはひとつもない。
 たった100円の品がぼくの生活をぐっと改善してくれた。