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台風の日のような

by 唐草 [2019/09/20]



 一昨日の水曜日は、記事にもある通りMongoDBというソフトに未明前から振り回され続けていた。ぼくらの管理するWebサービスには、MongoDBがインストールされている。利用者に提供する機能としては補助的な役目なのだが、システム的の三本柱と呼ぶべき存在だった。他の柱が健全な状態であろうとも、MongoDBが動いていなかったら共倒れなのである。
 そのシステムは、約8,000人を支える大規模なもの。ぼくの属する組織の活動のほとんどが記録されているし、ポータル的な役割も果たしている。システムが停止してしまったら、組織全体の連携が断たれて機能不全に陥ることは明らかだった。
 そんな基幹システムと呼ぶべきものが、止まってしまったのだ。ぼくの心中が穏やかでなかったことは、誰にでも想像できるだろう。胃薬を飲まなきゃやってられないのも理解してもらえるだろう。
 応急処置自体は2時間程度で終わっていた。一応、破綻なく動いているように見えるまでは簡単に行き着いたのだが、ここが茨の道のスタート地点になるなんて知る由もなかった。ぼくが修復完了だと信じてゲームで遊んだり、おやつを食べている間にシステムの状況は悪種に蝕まれるように悪化していたのだ。正しく状況認識できたときには、最悪の一歩手前の状態だった。応急処置が根本的な原因を悪化させていたので、1時間から2時間おきにシステムダウンするという大惨事に至っていた。
 根本的な原因特定と本質的な解決方法が見つかるまでは、体力と集中力と反射神経がものを言う世界だった。PC画面に張り付いて目視で稼働状況をチェックし続けていた。エラーを見つけたら超高速でコマンドを打って応急処置を施す。そして、ほうほうの体でシステムが動いている間に解決策を模索する。1秒も気の許せない時間が続いた。
 完全復旧を迎えた22時頃、ぼくはボロボロに疲弊していた。心身ともに緊張し続けていたので、今日ようやく肩の力を抜こことができた。
 その瞬間の気分は、まるで台風が去った後に雨戸を開けて青空を見たときのようだった。水曜日の大混乱は、ぼくにとって台風並みの猛威だったのだろう。何が起きているのか理解が追いつかず、何をするべきなのかも分からない。でも、何かしなくてはならないと気だけが焦る。そして、もがくように手を動かしても何も改善しない。全貌がつかめないほどの巨大な相手に振り回され続けたという意味では、台風とまったく一緒である。