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麦茶

by 唐草 [2018/08/24]



 夏らしい飲み物を1つ挙げろと言われたら何を選ぶだろう?冷たい飲み物としてアイスコーヒーやアイスティーを挙げるだろうか?それとも、ラムネやビールといった炭酸の入った喉ごし爽やかな飲み物を挙げるのだかろうか?もっともビールはオールシーズンの飲み物のようにも思えるが。
 ぼくとしては、別のものを挙げたい。
 麦茶だ。
 老若男女誰でも飲める優しい飲み物。お茶だけどノンカフェイン。アイスコーヒーのようにホットありきではない。甘くもなければ渋くもない。一見すると地味なお茶かもしれないが、古くから日本の夏の水分補給を担ってきたお茶だ。
 麦茶の香ばしい味わいは、いつだって夏の記憶を蘇らせてくれる。
 ぼくが小さかった頃、麦茶は家で煮出して作っていたらしい。その後、水出しのティーバッグ式が主流になったように記憶している。ただ、水出しティーバッグ式は衛生面の管理が大変なので、いつの間にかペットボトルの麦茶へと変わっていった。初めて麦茶の2リットルペットボトルを見たのは小学生高学年のときだと記憶しているが、子供ながらに「家で作らず、麦茶を買うなんて」と驚いたものだった。
 今では、麦茶は当然のように買うものとなっている。
 コンビニで麦茶を買う際に、プライベートブランドの安い麦茶を買うことはない。烏龍茶とかほうじ茶はPBの安いので満足できるのだけれども、麦茶だけは我慢できない。ハッキリ言ってマズい。だから、ちょっと高くても伊藤園の『ミネラル麦茶』を買うことにしている。鶴瓶師匠でお馴染みの『ミネラル麦茶』は、実質値上げに屈せず、どんどん容量が大きくなっているお茶だ。
 すっかりミネラル麦茶派になってしまったぼくだが、小さい頃に飲んでいたペットボトル麦茶は違うブランドだった。たしか『六条麦茶』だったはずだ。でも、最近『六条麦茶』を売っているのを見たことがない。もう、販売されていないのだろうか?
 買い物のついでに『六条麦茶』を探していたら、売り場の隅っこに置いてあった。ただ、ぼくが飲んでいた頃とはボトルのデザインが全然違っていた。そのせいで見落としていたのだろう。
 ちょっと懐かしい気持ちになったので『六条麦茶』を買って飲んでみた。
 味が濃い。香りも強い。おいしいよ、この麦茶。
 たかが麦茶かもしれない。でも、侮ってはいけない。全然違うのである。『六条麦茶』を思い出してしまった今、もう『ミネラル麦茶』には戻れない。