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腰が痛い

by 唐草 [2018/04/10]



 今日は、朝から腰がかなり痛い。幸いなことに動くことに支障があるほどの痛みではない。つまりギックリ腰ではないと言うことだ。ギックリ腰でないという事実は、立っていても座っていても寝ていても腰が痛いにもかかわらずぼくに大きな安堵をあたえてくれる。今日は、バンテリンを腰に塗りたくっておとなしくしているに限る。重い物を持ったり、早足で歩いたりするのは止めておこう。
 腰痛の原因には心当たりがある。
 なにも激しく腰を振ったりしたわけではない。そうでは無くて、この2ヶ月間まったくと言っていいほど腰を使っていなかった反動が現れているに過ぎない。
 そう、腰痛の原因は久しぶりに授業をしたからだ。
 昨日は初回の授業だったので、休業期間中自宅に持ち帰っていたiPadなどの機材を鞄に入れて通勤した。また、初回の授業だったので数百枚のプリントの束を抱えて大学内を西へ東へ奔走することにもなった。そんな初回ならではの肉体的な負担があったのも事実だが、それは腰痛の原因の一部でしかない。
 1時間あまり立って喋ったことが、すべての原因である。
 2ヶ月間の春休みの間、ぼくはPCの前に座っているか、ベッドに寝転んでモンハンで遊んでいるかのどちらかだった。連続して5分以上立っていることなんて、ただの一度も無かったはずだ。その間に体中の筋肉は溶けるように消えていった。今のぼくは、ベッドから立ち上がるためだけの筋肉しか持っていない虚弱な人間に成り下がっている。
 そんなぼくが、1時間も立っていたらどうなるかなんて火を見るよりも明らかである。体中の筋肉が悲鳴をあげて、節々に痛みが走る。完全にジジイである。今日が出勤のない日で本当に助かった。
 こうなることは毎年の経験から薄々気が付いていたが、だからと言ってそのために筋トレをするような気力は湧かなかった。だらけられるときは、溶けたゼリーのように全身の力を抜いて徹底的にだらけるのが至上の喜びなのである。
 腰痛は、ぼくにある真実を語りかけてくれた。
 引きこもりの社会復帰とか言って部屋から引きずり出して働かせるという荒治療がある。でも、大抵長続きはしないそうだ。そりゃそうだ、引きこもりには立っていられるだけの筋肉すらないのだから仕事なんてできるわけがない。部屋から引きずり出せば人並みに働けるだろうと考えていることの浅はかさが生んだ悲劇である。
 2ヶ月引きこもった人間は、1時間立つだけで翌日に深刻なダメージを負う。こう言う正しい理解がないとみんなが不幸になってしまうのだ。