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椅子が限界

by 唐草 [2021/02/18]



 自室の仕事椅子が、限界を迎えようとしている。中古を買ってもう20年近くなるんだから仕方のないことかもしれない。
 ぼくが使っているのは、いかにも事務椅子という風合いのグレーの椅子。イトーキのvertebraというブランド。今のモデルはおしゃれなデザインになっているが、ぼくが使っている初代(?)は「必要最低限の要素だけを盛り込みました」という地味なデザインだ。
 見た目とは裏腹に座り心地は抜群。特に背もたれのバネの強さが絶妙で、体を支えて欲しいときは動かないが、リラックスしようと体を伸ばしたりするとしなやかに動いてくれる。書くと当たり前に見えるが、これを違和感なく実現できている椅子はそう多くない。
 なにより20年近く現役で活躍してきた点は見逃せない。コロナ前から在宅ワーカーだったぼくは、文字通り1日中座っていることも多かった。それでも背もたれのバネも座面調整のガスピストンも健在だ。
 その一方で、椅子の命でもある座面が痛ましいことになっている。数年前から座面カバーの端が摩耗して中の黄色いウレタンがむき出しになっていた。座るときに擦れるので、ここの劣化は抑えられない。小さなホツレは徐々に大きな穴へと広がっていき、今では座面の幅の半分ぐらいの長さまで広がっている。
 剥き出しのウレタンは弱い。小さなカスを出しながら消しゴムのように毎日少しずつ減っている。座面の端から最大3cmぐらい削れてしまった。厄介なことにウレタンを止めている小さな突起がむき出しになってしまい、そのまま座ると太ももの裏にこれが刺さる。ちょっとした拷問椅子だ。それでは使えないので厚紙と養生テープで棘を隠してごまかしている。
 最近、座面中央の摩耗も顕著になってきた。厚手の布が破ける直前の靴下みたいになって、下のウレタンが透けて見えている。裂けてしまう日は、もうすぐそこだ。
 いくら機械部が無事でも座面が壊れてしまったら椅子の役目は果たせない。その場しのぎも補修も限界だ。ついに買い替えのときが来てしまったようだ。次もイトーキの椅子にしたいけど、新品は高いんだよなぁ。
 またしても中古を狙うか?長く使うことを考えて新品を買うか?それともニトリで座布団を買って新たな座面とするか?
 悩ましい。