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モバイル機器の最期

by 唐草 [2020/11/21]



 ぼくは古いPCを延命して使い続けることを趣味にしている。処理力アップのためにパーツを交換することもあれば、逆に処理力不足を補うためにあえて古いソフトを使い続けることもある。知識と経験を頼りにハードとソフトの両面から様々な手段を講じている。すべては1日でも長く現役として活躍できるようにという願いを叶えるためだ。
 この趣味を実益を兼ねた趣味と考えるか、ケチさが生んだ惨めな抵抗と考えるかは意見の割れることろだろう。ぼく自身もどちらなのか結論を出せていない。
 いずれにせよ、ぼくの部屋では10年前のPCが現役で稼働している。その姿を見て、ぼくが悦に入っている。
 部屋にはPCから始まりスマホやゲーム機などの電子機器がところ狭しと並んでいる。ぼくは、すべての機器を1日でも長く使っていたいと心の底から願っている。でも、この切なる願いはPCでしか叶っていない。スマホなどのモバイル機器の延命には、手も足も出せていないというのが現状である。
 高密度にパッケージ化されているモバイル機器は、自分でパーツを交換することがほぼ不可能。ソフトはストアで一元管理されているので必要に応じてダウングレードすることも無理。ハードもソフトもPCのように自由に調整することが許されていない。ぼくの目には、今のスマホ界隈は指先まで管理され尽くしたディストピアのように映っている。
 先日から、愛用のタブレットであるZenPad 3が猛烈に調子が悪い。電源を繋いでいないと数分でバッテリーが切れて使えなくなるし、繋いでいたとしても謎のエラーを発症して突然OSごと落ちてバッテリー残量0となる。電源の接触も悪いようで充電アイコンが点滅してしまうことさえある。1日に3度は落ちるので正直使い物になっていない。
 過酷な使用で電源周りが物理的に壊れてしまったのだろうか?落ちる数秒前になると動作が異様に遅くなるのでメモリエラーが発生している可能性も否定できない。満身創痍なのは間違いないが、パーツ交換できないので原因を特定することも症状を改善させることもできない。
 ただ、壊れゆくさまを見つめるだけである。この状況に不甲斐なさを感じずにはいられない。