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3回目のギャンブル

by 唐草 [2019/01/27]



 メモリ増設とGPU換装で2009年の懐かしい感じのスペックを脱却して今の水準に追いついたぼくのMac pro(early 2009)。最新のソフトが普通に動くというごく当たり前の環境が戻ってきた。リセットしてからでないと起動できないし、グラボを換えたせいで起動画面が表示されないけれど成果には大いに満足していた。
 だが、その満足も長くは続かなかった。
 ボトルネックだったメモリ不足と旧世代のGPUからの脱却を図れば快適なPCライフが待っていると信じていた。確かに前と比較すると圧倒的に快適になっている。画面がチラつくこともないし、アプリを大量に起動することもできる。期待通りの環境が手に入ったはずだった。
 ところが、ぼくは100%満足できていなかった。目の前のボトルネックを潰したら、次のボトルネックが露わになってしまった。今までまったく気にしていなかったことが、急に目の上のたんこぶのように無視することのできない存在となって浮かび上がってきた。人間の欲とは果てしないものである。
 ぼくが気になってしまったことは、ディスクアクセスの遅さ。何かするたびにハードディスクがカリカリ鳴っている。コンピュータが働いていることを理解できる小気味良い音ではあるが、カリカリ鳴っている間は待ち時間なのである。ブラウザの起動も、ゲームの起動も何もかも待たされているようにしか思えなくなってしまったのだ。
 今は、2019年。もうハードディスクからは脱却するべき時代。SSDへ移行しよう。それが、このMac proの最後の改造メニューにふさわしい。そう思い立った。
 だが、2009年のマザーボードという現実がぼくの高速化への夢を砕いた。
 SATAのSSDに換装しても、SATAの速度が遅いのでほとんど恩恵がないという悲しい現実が待っていたのだ。これが10年の壁。そして時代の進歩なのである。PCの延命にも限界があるそう思い知らされた瞬間だった。
 でも、ぼくは諦めない。こうなったら「毒を食らわば皿まで」の精神である。現状最速のM.2 SSDをPCI-Express経由でつないでやる。理屈上はつながるはずだし、速度も出るはずである。お金のことは気にしない。ぼくのように10年前のPCしかもMacにM.2 SSDを導入しようなんてバカなことを考えている人はほとんどいなかった。だから今回のチャレンジは、前回のグラボ換装よりも未知数に覆われたギャンブルとなった。
 今日、SSD一式が届いた。認識して読み書きできているので成功だろう。今回も危険なPCパーツのギャンブルに勝利したようだ。
 もはや古いコンピューターを延命したいという気持ちは薄れてきている。最新のパーツが動くかどうかのハラハラ感を楽しんでいるようにしか思えなくなってきている自分がちょっと怖い。