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夏物を買いに

by 唐草 [2018/04/03]



 夏用の帽子を買いに出かけた。
 ぼくは帽子大好き人間なので一年中何かしらの帽子を被っている。冬場はハンチング、夏場は麦わら風の中折れを選ぶことが多い。
 ハンチングは使い勝手のいい帽子だ。深くかぶれるので風に飛ばされる心配もない。プレス加工で成形しているわけでもないので手荒に扱っても型くずれしにくい。布製なので雨に濡れても問題無い。日常使いしやすい帽子である。
 一方、中折れ帽は型くずれしやすいので丁寧に扱う必要がある。ちょっと油断するとすぐに形が歪んでしまう。ドラマの世界では、中折れ帽の折れて凹んでいる部分を掴んで帽子を被るシーンがよくある。実は、あれは御法度。型くずれの原因である。つばの部分を持つのが、より帽子に優しい取り扱い方法である。
 夏場の帽子は、汗をかく影響でダメになるのも早い。だいたい2シーズンごとに買い替えている。今年は、ちょうど新調するのにふさわしい年だ。
 夏用の帽子は、先に書いたとおり麦わら風の中折れ帽を買うことが多い。選んでいるぼくの目からすると毎回異なる帽子をチョイスしている。でも、他の人にはどれも同じに見えることだろう。あと、麦わら風と書いているのは、本当の麦わらでできた帽子は買っていないからだ。麦わら帽子っぽい素材に見えるけれど、実はポリエステルとかの化学繊維だったり、特殊加工された紙だったりする。
 今年は、正統派の中折れ帽の形をした麦わら風帽子を買おうと考えていた。ところが、残念なことにぼくが欲するデザインの帽子は売られていなかった。1個近しい物があったのだが、どうもぼくの頭にはフィットしなかった。その帽子を被った自分を鏡越しに見ると、大きな頭の上に小さな帽子が置いてあるようにしか見えない。アンバランスで被っているという感じがまるでしないのだ。残念だが、今年は麦わら風中折れ帽は諦めよう。
 帽子の似合うに合わないって、頭へのフィット感だけでなく顔の輪郭線との組み合わせが重要になるそうだ。言葉で書くと単純な事なのだが、実際に様々な帽子を被ってみると奥深さと不思議さが見えてくる。ほとんど同じデザインに見える大きさの違う帽子を被り比べてみると、違いが顕著になる。頭の上でしっかりと落ち着くものもあれば、先ほど書いたように置かれているだけに見えることもある。自分の顔が巨大に感じられることもあれば、帽子に覆われてしまっているように見えることもある。
 こればかりは実際に被ってみないと分からない。帽子だけは通販で買ってはいけないと固く信じている。
 中折れ帽を諦めたぼくは、最終的に安全で確実な手段を選んだ。夏用の粗いメッシュというかザルのようなハンチングを購入。これでオールシーズンハンチングとなった。