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どの時点で壊したのか?

by 唐草 [2021/04/14]



 職場の倉庫から古いWebカメラが見つかった。購入理由も知らないし、ほとんど使った様子もなく倉庫にしまわれた経緯も分からない。
 ビデオチャット用カメラではない。監視カメラの色合いの強い製品で赤外線撮影と動態反応機能がついていた。野生動物の観測は無理でも、夜間の防犯カメラには使えそう。何かを監視する目的で購入されたのかもしれない。当初の目的は何であれ、定点監視ができるのなら使いたい。
 まずは、このカメラで何ができるかを確認しよう。LANケーブルをつなぐと、やや反応は鈍かったが専用アプリに映像が転送された。映像のフレームレートは低めで防犯カメラのようにギクシャクしていた。やはり監視カメラのようだ。
 しばらくするとアプリに「ファームウェアの更新があります」と出た。何年かぶりに使うので更新が山積みになっていても不思議はない。ぼくはアプリに表示されたメッセージをあえて無視して、メーカーサイトに直行した。アプリ経由でちまちま更新するより、最新版を手動で導入したほうが早く済むだろうという手慣れた判断だ。
 予想通り手動更新用の最新版ファームウェアが配布されていた。更新の必要性はよく分からないが、更新通知を消すためだけに導入を決意した。
 説明書に従って操作を行う。アップロードボタンの反応が悪かったので2度押したらカメラとの接続が切れた。どうやら更新が始まったようだ。
 更新には2分程度かかると書かれている。設定によっては勝手に再起動するらしい。でも、5分待っても変化はなかった。きっと設定が違うのだろう。ぼくは電源を抜き差しして再起動させた。
 だが、カメラはうんともすんとも言わない。起動中を告げる赤いLEDが光ったままで、一向に動作中を示す青に変わらない。アプリから確認してもカメラは検出されなかった。リセットをしても何も変わらない。
 この状況、どう考えてもファームウェア更新失敗によるシステム破損だ。一体どこで判断と操作をミスってしまったんだ?アップロードボタンを2回押したときか?それとも電源を抜いたときか?
 カメラは壊れていたので倉庫にしまわれていたと報告して、証拠を破棄することにした。大丈夫、監視カメラは動いてない。