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ゴミ圧縮

by 唐草 [2021/03/08]



 ぼくの住む自治体もゴミ回収は有料化されている。指定の有料ゴミ袋を買うシステムだ。ゴミの量に応じて負担が決まる公平なシステムだということは認めよう。でも、負担が増えたのは揺るぎない事実だ。この制度に対してぼくたちができることは、袋に目一杯ゴミを詰めこむことぐらい。
 ゴミの中でも特にかさばるのが、プラスチックとビニールのゴミ。でお弁当やお惣菜を買ってくるとゴミ袋はすぐに一杯になる。複雑な形でつぶれにくい容器が、その優秀さ故に厄介なゴミになる。パンパンになったゴミ袋は、いつだって見た目に反して風船のように軽い。これでは、お金を出して空気を捨てているようだ。
 もっとどうにかできないだろうか?
 実は、ゴミ回収有料化直後はプラスチック容器を切って体積削減に努めていた。でも、次第に面倒になって、気づけばそのまま捨てるようになっていた。慣れがぼくをダメにしていった。そのことを思い出せたのは、先日プラスチック製の蓋付き容器を捨てたときだった。
 空容器1つでゴミ袋は一杯になった。でも、ゴミ袋の中のゴミの数は数えるほどしか無い。あまりにももったいない。
 それを許せなかったぼくは、ゴミ箱に手を突っ込むと容器を回収。そして、すでに捨てられていた袋やラップなどを取り出しては、きれいに畳んで容器に詰めていった。そして限界まで詰めたところで蓋を閉じた。容器の何倍も大きいゴミ箱は空になっていた。
 驚異の圧縮効果だ。
 これに気を良くしたぼくは、空容器のゴミが出ると袋などを目一杯詰め込むようになった。持ち前のケチな精神が、ゴミ回収とシナジー効果を生み出したようだ。
 そして、ゴミ回収日を迎えた。
 普段は風船のように軽いプラゴミの袋が、今週に限ってはズッシリと重かった。ゴミ圧縮の確かな手応えを感じられる。財布に優しい重さとも言える。だが、心配もある。こんなに重いプラゴミの袋はなかなかないだろう。プラゴミのフリして瓶などの回収日が違うものを捨てていると疑われて回収拒否されないだろうか?やりすぎてしまった感が否めない。
 心配は杞憂だった。群を抜いて重いであろう我が家のゴミ袋も無事回収してもらえた。ほっと胸をなでおろすのもつかの間、今度はどれぐらいの重さまでなら回収してくれるのだろうという好奇心が湧いてきた。ゴミ箱に手を突っ込む生活はしばらく続きそうだ。