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神託の未来

by 唐草 [2021/02/15]



 次にサーバを作る時、どのOSを選ぶべきなのか?この問題に頭を抱えている。
 仕事でサーバをセットアップするとき、ぼくはLinuxの1つであるCentosを使ってきた。このOSは、有償版LinuxでもっともシェアのあるRed Hat Linuxのクローンみたいなもの。無償なので貧乏人のためのRed Hat Linuxとも呼ばれている。設計思想は徹底した安定性重視で新しいものには手を出さない。そして10年の長期保守が売りだった。だからこそ、仕事で使うのにうってつけだった。
 ところが、昨年末にRed Hat社が急に方針を翻した。Centosは次世代のRed Hat Linuxの姿をプレビューする最新要素の塊へと変貌することになった。コレ自体は革新的に聞こえるかもしれないが、裏を返せば安定さと長期保守が欲しいのなら金を出してRed Hat Linuxを買えということだ。もはやCentosは、貧乏人のためのRed Hat Linuxではなくなってしまった。
 こうなってしまっては、もうCentosを仕事で使うことは難しい。別のLinuxを選ぶしか選択の余地はない。
 しかし、他に最大10年の保守を確約している無償のLinuxなんてほとんどない。普段ぼくが使っているubuntuだって5年止まりだ。唯一残された選択肢は、Oracle社のがリリースしているOracle Linuxだけ。
 Oracle LinuxもRed Hat Linuxをベースにしている。だから中身はほとんどCentosと同じだ。乗り換えるのならもっとも違いが少ないOSだと言える。
 でも、Oracle Linuxへの乗り換えには積極的になれない。
 これは技術的な問題ではなくブランドへの信頼の問題。宗教上の問題とも言える。
 Oracle社は、これまでにJavaやMySQLなどを吸収して無償で使えていたものの門戸を狭めてユーザからお金を巻き上げる仕組みを作ってきた。したたかな企業とも言えるし、がめつい企業とも言える。
 今は完全無償のOracle Linuxも、数年後にどうなっているか分かったものではない。Red Hatを買ったほうが安かったなんてことになっているかもしれない。それぐらいに信用できないイメージがある。
 Oracleの軍門に下るぐらいならRed Hat系から足を洗うほうがマシだ。