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寒さ指標

by 唐草 [2021/01/24]



 雪の予報は空振り。冷たい雨が降り続くだけに終わった。乾ききった田畑にとっては恵みの雨なのだろうけど、ぼくらには冷たすぎる。
 こういう寒くて天気の悪い日は、おとなしく家に閉じこもっているのが一番。好んで氷雨の降る暗い街へと駆け出す人は少ないだろう。ステイホームが加速すると考えれば、ぼくらにとっても恵みの雨になっているのかもしれない。
 結果として雪は降らず雨になったとは言え、気象情報を読み解くとギリギリのせめぎ合いの結果の雨という印象が強い。あと少しでも温度が低かったら関東も白く塗りぶされていただろう。天気を大きく左右することになった1℃未満のわずかな違い。その差はぼくらにとっては大きなものではない。雨だって嫌になるほど寒いことには変わりない。
 この冬は、寒暖差が大きいような気がする。春を感じさせるような温かい日もあれば、身を切るような寒さに震える日もある。北風のせいで気温より寒く感じる日も多い。ぼくの体感では寒い冬という認識となっている。
 寒さを客観的に示すなら気温だけで事足りる。でも、人間の感覚は必ずしも数字に従うとは限らない。同じ温度でも感じ方は身の回りの様々なものに左右される。だから、寒さを把握するには気温の数字だけでは不十分。もっと別のことに目を向けたほうが、ぼく自身が今冬の寒さをどう捉えているかを把握できる。
 ぼくは冬場になると室内ジャケットを羽織る。厚さの異なる2着のジャケットを気温によって使い分けている。今、羽織っているのは起毛生地でキルティングしてある極厚のジャケット。モコモコの見た目に見合った暖かさがある。裏を返すと暖かすぎるとも言える。暖冬だった昨シーズンは1度も袖を通すことがなかった。この厚手のジャケットが手放せないというのが、この冬の寒さの証拠である。
 また、昼でも雨戸を開けなくなった。これも寒さの証拠と言える。弱々しい日差しよりも北風のほうが強いので、ガラスからは冷気しか入ってこないのだから仕方がない。
 厚手のジャケットと閉じっぱなしの雨戸。これはぼくにとってなによりの厳冬の証拠である。この冬も寒さの本番が到来したようだ。