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背筋が痛い

by 唐草 [2021/01/21]



 昨日、リビングルームの背丈より高いアルミサッシが、レールに乗り上げて動かなくなってしまった。昨年5月以来のトラブル。この寒空の下、窓を閉められないのは一大事だ。
 築40年超の我が家は、外壁塗り直しやリフォームで見た目はきれいに保っている。とはいえ、家の骨格に手を入れているわけではない。音もなくやってくる経年劣化を抑えることはできない。壁にクラックが入ったり、窓枠が歪んだりしている。特に10年前の大震災で歪みが大きくなった。
 特に顕著なのが、リビングルームの窓。歪んだアルミサッシを動かすとどんなことが起きるのかは火を見るより明らか。開け閉めのたびにジャリジャリという金属の粗い面が擦れ合う嫌な音と手触りがある。窓枠をよく見るとサッシの塗装が削り取られて真新しい金属面が顔を覗かせている。鈍い金属の輝きが常に削られている証拠だ。
 サッシは削れるほどに上下左右の余裕がない。だから目一杯力を込めないと窓は動かない。
 昨日はいつもより重く感じたので、サッシがたわむぐらい力を込めてしまった。その瞬間、砂を噛んでしまったときのようなジャリッという嫌な音が響いた。窓は固定されたかのように動かなくなっていた。
 足元を見てみるとサッシの端がレールに乗り上げていた。普段は金属が削れるほどの隙間しかなく開け閉めに悪戦苦闘しているというのに、なぜレールの上に乗ってしまうのか?今回も手品かと思うような事故だ。
 押しても、引いても窓はびくともしない。力いっぱい押したらガラスが割れてしまうかもしれない。それだけは絶対に避けたい。前回のときと同じように調整ネジを回しても今回はダメだった。
 そこでぼくは大胆にもアルミサッシの解体を決意した。普段はまず意識しないが、窓枠は上下左右の4パーツから構成されている。正しい手順で分解すれば問題を解消できるはずだ。
 背伸びして高いネジを、床に這いつくばって低いネジをクルクル回して側面のフレームを取り外した。コの字型になって剛性が落ちたサッシは、ガラスを挟んだまま無事に動いた。でも、外した側面フレームは柱のように直立したままびくともしない。結局、無反動ハンマーでぶっ叩くまで微動だにしなかった。
 慣れない姿勢で慣れない慎重な作業をしたせいで、今日は背筋が激烈な筋肉痛。