カレンダー

2020/04
   
  
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

教室で一番のバカ

by 唐草 [2021/01/17]



 1年の業務で一番厄介なものが無事完了した。大学入学共通テストの試験監督である。
 試験監督は持ち回りのはずなのに3年連続で指名されている。この理不尽な指名には制度の不備がある。各部署から若干名というルールなので、2名しか在籍していないぼくの部署は必ず両名が指名されてしまう。来年も絶対に指名されるだろうけど、次は断ってやろうとすでに考えている。
 試験監督は国の予算で実施されるのでお金的には悪くない。でも、伴う責任と分刻みのスケジュールは心身を大きく疲弊させる。試験の1週間前から胃が痛かったし、試験が終わった今は歩くのもやっとというぐらいに疲れている。
 さて、今年から試験の名前が「大学入学共通テスト」に変わった。当初はもっと野心的な改革が想定されていたが、蓋を開けてみればこれまでとほぼ同じような仕組みに落ち着いていた。受験生は、今年も一心不乱にマークシートを鉛筆で塗りつぶしているだけ。
 では、試験問題は変わったのだろうか?試験監督にも慣れてきたので、試験監督の仕事をしながら余った問題冊子に目を通していた。
 ぼくが担当した試験会場は文系向け科目が実施されていた。だから、すべての科目に目を通すことはできなかったし、業務の関係で問題冊子を手に取れないこともあった。それでも試験の変化を感じるには十分だった。
 劇的に変化していたのは英語(リーディング)。問題用紙に1文字も日本語がなく、英文を読んで英語の質問に英語で答える形式に生まれ変わっていた。文法やアクセントの問題は無い。TOEICなどのスタイルに近づいていた。これはとても良い変化だ。
 英語以外にもチャレンジしていた。
 国語は、評論と小説では選択肢を選ぶコツを忘れていたし、昔から苦手だった古典と漢文はまったく歯が立たなかった。数学は、解き方は分かるが公式や方程式を忘れていたので、定理から三角関数の変換とかを求めていたら時間切れになってしまった。一番解けたのは、高校時代に赤点を取ったこともあった英語だった。どの教科もたぶん4割ぐらいしか解けていない。それって教室にいる人間の中で最も得点が低いってことじゃない?
 試験監督がバカでごめんね。
 でも、筆記用具使用禁止&持ち時間-40分というハンデがあったことは忘れないでね。まぁ、知識が欠落しているんで時間が増えても得点伸びないけど。