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欠点の衝突

by 唐草 [2021/01/05]



 自分の欠点や弱点を直視するというのは、なかなかつらいことだ。しなくていいならせずに済ませたいし、先送りできるなら1秒でも後回しにしたい。面接や性格判断などで「自分の欠点はなんだと思いますか?」と聞かれたとしても、本心を隠して当たり障りのない欠点を挙げてしまうだろう。少なくとも胸を張って「ぼくの欠点は盗癖です」とは言わないはずだ。
 欠点を直視せず目をつぶったり、その場しのぎの嘘で乗り切っていたとしても、いつかは問題が露見してしまう。しかも、欠点を隠し通せなくなったときというのは、往々にして絶体絶命のピンチだったりする。
 ぼくは新年早々にして自分の欠点が引き起こした問題の渦中にいる。にっちもさっちもいかないこの状況は、完全に身から出た錆だ。
 今、ぼくを困らせているのは「結論をとことん先延ばしにする」と言うサボりぐせと「白黒をハッキリ付けたい」と言う完璧主義のコンボ。
 見方によっては慎重な判断を下す冷静な性格と擁護したり、脊髄反射的な勢いで何かを決めて後で露頭に迷うよりはマシという考え方もできるかもしれない。物事のポジティブな面だけを見つめて評価するのも大切だろう。でも、今のぼくの置かれた状況は、そんなポジティブさをもってしても光を見出すのが難しい。
 考えてみれば3ヶ月以上前から判断を先延ばしにしてきた。「明日できることは明後日すればいい」というような無計画な日々を重ねてきた。その一方で、どういう比較をすれば優劣を客観的に示せるだろうかと頭を捻ってきた。いくつかの実験を考案してきたが、結局やらずじまいのまま。客観的には、冷静な判断ではなくタダの優柔不断にしか見えないだろう。
 その結果、破綻を迎えた。こうなることは前から分かっていたはずなのに。目の前に見えていた落とし穴に真っすぐ進んでそのまま落ちていったかのようだ。
 ただ、心配する必要はない。現実社会で支障ある問題ではない。
 ゲームのレジェンダリー武器のどれを残して、どれを処分するかで悩んでいるうちにアイテムボックスがいっぱいになってゲームの進行が破綻しただけのこと。
 思わぬ形で自分の欠点を直視することになってしまったのである。