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サーバ室七不思議

by 唐草 [2020/12/28]



 今日は1年に一度のもっとも厄介な日。職場の全館停電に備えてシャットダウンした合計20台ぐらいのサーバを再起動させる日だ。毎年だいたいクリスマス前後に全館停電が実施される。サーバを管理するぼくにとっては嬉しくないクリスマスプレゼントのようなもの。サンタはぼくを悪い子だと考えているのだろうか?それなら靴下に石炭をねじ込まれる方がずっとマシだ。
 停電からの復電作業の内容は、簡単に言えばサーバの電源ボタンを押すだけ。とても簡単に聞こえるだろう。簡単そうなのにぼくが嫌がっているのには深い訳がある。
 複数のサーバが連携しているので、起動させる順番がある。複雑に入り組んだパズルのような状態なので、好き勝手に電源を入れるとエラーが出てシステムが動かなくなってしまう。毎年改定される即席の手順書に従って、ドキドキしながら電源を投入していく。新しい機器が導入される度に無秩序に設置されていくので、電源を入れるだけなのにサーバ室の中を右往左往することになる。
 だが、サーバ室で右往左往するのは悪夢の前のウォーミングアップのようなもの。本当の悪夢はここからだ。
 再起動後に動かなくなるソフトが必ずあるのだ。もはやこれはサーバ室七不思議の1つにカウントしてもいいぐらい理解を超えた現象。
 再起動は、コンピューターを使う上で手っ取り早く問題を解消する有効な手段だ。原因がわからなくても「とりあえず再起動しよう」と考える人も多いだろう。ぼくもそのひとりだ。再起動の有効性は侮れないものがある。
 すべてが正常に戻るはずの再起動を行ったのにソフトが起動しないとなったらお手上げである。今日もいくつかのソフトが謎のエラーを吐いて止まってしまった。どんなに入念に準備をしてシャットダウンしても、悪夢から逃れることは絶対にできないようである。
 驚くべきことに真の謎は、この後に起こる。
 どういう訳か、何度か試すと突然何事もなかったかのように起動してしまうのだ。急に動かなくなるのは理解できるが、その逆はまったく理解できない。これこそ、ぼくが七不思議と呼ぶ所以である。