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エキスパートモード

by 唐草 [2020/12/14]



 今日、近道をしようと公園の中を突っ切って歩いていた。目的地に向かって一直線に道なき場所を進むのは、ゲームで見慣れた光景。でも、現実でそういう自由な歩き方をしている人は、ほとんどいない。多くの人が律儀に道に沿って歩いている。靴が汚れるのがそんなにイヤなのだろうか?
 人と違う道を進んでいると意外な発見に出くわすことも少なくない。今日は冬らしくもあり、同時に遠い春の訪れに思いをはせるようなものを見つけた。それが、今日の写真。たぶん、コブシの花芽のはず。フワフワの産毛に覆われた暖かそうな芽は、どことなく動物らしさを感じさせる。
 初冬の1ページを記録しようとスマホのカメラを向けたのだが、画面のどこをタップしても花芽にピントが合わなかった。
 ぼくが被写体に寄り過ぎているせいかと思って、木の前でバグったゲームキャラのように前後へ動いてみたがダメだった。カメラは、枝先の花芽でななく奥の風景にピントを合わせてしまう。被写体判別AI搭載で自動でピント合わせができると言う話は嘘だったのかと文句を言いたくもなった。
 季節を感じさせる面白い被写体が目の前にあるというのに何もできずに立ち去るしか無いのだろうか?
 そのまま撤退するのは悔しかったので、カメラアプリにマクロモードやAF固定モードが隠されていないかといろいろな部分をタップしてみた。普段は自動モードを使っているだけなので、このアプリにどんな機能が搭載されているかなんて考えたこともなかった。
 動画の撮影が始まってしまったり、画面にくたびれたオッサンの顔が大写しになったりと一通りのお約束をやった後に「エキスパートモード」を発見した。
 このモードでは、フォーカス、ホワイトバランス、露光、シャッタースピードを手動で設定することができる。一眼レフなんかでレンズのダイヤルをくるくる回して調整するようなことがほとんどできるようだ。画面をタップして接写にピントをあわせ、今日の鈍色の空を考慮して露出多めで、色温度を低めに設定してシャッターを切った。
 これぐらい選べるならスマホで十分。ただ、ここまで撮影設定いじってしまうと写真を撮るというより絵を作っている感じが強い。