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耳が痛い

by 唐草 [2020/12/12]



 耳が痛い。
 「ここに並ぶのはゲームとコンピュータのことしかない」。そんな叱責の声を真に受けて耳が痛いと言っているのではない。比喩でもなんでもなく本当に耳が痛いのだ。でも心配の必要はない。原因は分かっているし、病気や怪我でもない。
 一昨日からゲーム『サイバーパンク2077』漬けの生活を送っている。会議やら緊急連絡やらで何度か現実に引き戻されて入るが、基本的には「明日できることは明後日謝ればいい」ぐらいな感じでゲームのためだけに時間を費やしている。在宅勤務体制を最大限活用して公私とも充実した日々を送っているとも言える。むしろ、そうだと強く主張したい。
 初めてのゲームを遊ぶと肩がこるのはいつものこと。戦闘の駆け引きが分からないのでバトル中はずっと肩に力が入っているし、イベントシーンでも急な展開に備えて身を構えたまま。コントローラーを握りつぶしそうなぐらいに緊張している状態が数時間も続けば、肩がこらないほうが不思議である。
 ゲームに熱中しすぎている代償は、肩こり以外の形でも体に表れている。それが耳の痛み。
 ぼくの部屋はエアコンとPS4の冷却ファンのノイズに満たされている。この状態ではゲーム内の会話がよく聞こえない。状況を改善するには、テレビの音量を大きくするか、イヤホンを使うかのどちらしかない。でも、騒音に対抗するために音量を上げるのは、臭いものをごまかすために香水をつけるようなもの。音の洪水の中に身を置くことになり、あまり健全な感じがしない。
 だからぼくはイヤホンを耳に突っ込んでゲームに興じている。耳の穴に押し込むカナル型イヤホンなので耳栓代わりにもなる。おかげで周囲の騒音を遮断して、ゲームの音だけを満喫できている。
 ただ、使い慣れたイヤホンとは言え何時間も耳に物を入れっぱなしにしている負担は思いの外大きかったようだ。耳の穴が痛くなってきたし、不自然に力が入ってしまうのか顎にも違和感がある。
 そろそろ休めと体が訴えてきているのかもしれない。でも、ぼくはコントローラーを手放す気はない。イヤホンをやめてヘッドホンでゲームを続けるぞ。