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サイパンは遠い

by 唐草 [2020/12/05]



 発売延期に延期を重ねたゲーム『サイバーパンク2077』。「天変地異でもない限り延期はない」と関係者がツイートした後に延期が決まったこともあった。コロナ禍の世界情勢を天変地異と解釈できなくはないが、この発言が2020年10月のものなので擁護は難しい。
 延期続きの理由の一端にはコロナ禍の影響もあるだろう。でも最大の要因は、最新PCが要求されるハイスペックなゲームを発売から7年経過したPS4 で動くように調整するに苦戦しているせいだと囁かれている。調整が不十分な段階で「初日にアップデートを配信すればどうにかなるだろう」という甘い考えで見切り発車したというのが、天変地異を超えた延期理由に違いない。これじゃ、人災だ。
 ゲームの発売延期の知らせを聞くと、ぼくはスーパーファミコン時代のドラクエを思い出す。容量問題などで延期を重ねるのが常態化していた。終いには「でますように」と神頼みするTVCMまで放送した。そんなドラクエでさえ1年以内の延期に収まっていたように記憶している。一方のサイバーパンクは、足掛け2年の延期となってしまった。
 これまでに何回延期があったのかは覚えていない。ひとつ確かなことは、2020年12月5日の段階で発売日が2020年12月10日に設定されているということだけ。ようするに来週発売予定ということだ。2年も待たされたゲームの発売日が目前に迫ってきているというのに、ぼくは全然胸の高鳴りを感じていない。
 それは来週の今頃にサイバーパンクで遊んでいる自分を想像できないからだ。また延期をするんではないかという疑いを払拭することができない。それどころか、ギリギリになって延期するだろうと信じてすらいる。仮にリリースにこぎ着けたとしても、バグだらけでまともに遊べない可能性もある。こうなってしまったら、いっそ遊べないほうがマシとすら言えるかもしれない。
 ぼくはバグだらけのFalloutを通じて理不尽なバグへの耐性と予期せぬフリーズへの寛容さを身に着けた。だが、世間の目はぼくらFallout狂信者のように優しくはない。悪夢のような船出がサイバーパンクを待ち構えているのではないかと不安いっぱいだ。ゲーム発売にこんな負の感情を抱くのは初めて。杞憂であってほしい。