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ドライアイ

by 唐草 [2020/12/04]



 冬の空気で冷え切った北向きの自室を温めるために、さまざまな暖房機器を利用してきた。石油ファンヒーターから始まり、パネルヒーター、PowerMac、ハロゲンヒーターと時代に合わせて変化てきた。そしてたどり着いたのはエアコンだった。長らく冷房としてしか活躍していなかったエアコンだが、昨年買い換えて以来というものオールシーズン活躍する存在となった。並み居る暖房器具の強豪を押しのけられたのは、ひとえにエアコン進化の賜物だろう。
 エアコン暖房の利点はいくつもある。石油ストーブと違って燃料補給がいらない。夏場はクーラーとしても活躍するので、シーズンに合わせて出したりしまったりしなくていい。パワフルに温風を吹き出すので、ハロゲンヒーターなんかと比べて部屋全体を温めるのが早い。
 いい事ずくめのようにも思えるエアコンだが、欠点が無いわけではない。風の吹出口が高い位置にあるので足元がなかなか温まらないという弱点がある。また、部屋の空気が乾燥してしまうということも欠点だ。
 以前にも書いたが、ぼくの部屋はど真ん中に背の高い本棚があるという不思議なレイアウトになっている。仕事をするときの機能性だけを重視した配置で、見た目や日々の動線はまるで無視している。問題を抱えた家具レイアウトは、あろうことにエアコンの温風を遮ってしまう。この問題を解決するために扇風機を併用してエアコンの温風を直角に曲げている。
 扇風機のおかげで部屋は隅々まで温まるのだが、その代償として乾燥した熱風が部屋中を吹き荒れている。エアコンの人感センサーが優しく風を届けるはずなのだが、ぼくの部屋では人感センサーがぼくを捉えることはない。テクノロジーを尻目に、季節外れの扇風機が我が物顔で首を振り続けている。こうしてぼくの部屋は乾燥機の中のような空気に支配されている。
 タダでさえ1日中モニターの前に座っていて目を酷使している。そこにこの乾燥だ。暖かさと引き換えにドライアイに悩まされている。
 暖を取るためには目薬が欠かせない。これこそテクノロジーが生んだ奇妙な共生。