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アイホンデビュー

by 唐草 [2020/12/03]



 ついに我が家もアイホンデビューとなった。
 どことなく不自然な冒頭の一文。しかし、これは1文字も違わずに事実を告げている。
 iPhoneでもアイフォーンでもなく「アイホン」と書かれているのがポイント。スマホの話をしたいのではない。玄関のインターホンの話をしたいのだ。
 我が家のインターホンがアイホン製のカメラ付きモデルに刷新されたのである。だから「我が家」と書いている。
 アイホンと聞いたら多くの人がスマホを思い浮かべるだろう。でも、Apple製スマホの日本語表記は「アイフォーン」と伸ばすのが正しい表記。こうなったのはインターホンメーカーであるアイホン社の気概ある姿勢が発端だという説がある。ことの真偽は分からないが、アメリカの巨大資本を相手にしても社号を譲らなかったアイホン社の気骨ある精神には感服してしまう。
 そんなブレない姿勢に惚れたというわけではないが、我が家のインターホンもアイホン製の商品が採用となった。そのおかげでミスリードを誘える冒頭の一文を書いたのだが、インターホン交換には切実な事情があった。
 この数ヶ月間に塗装工事や植木伐採などを語る多くの業者が我が家のインターホンを押した。だが、どの業者もびっくりするほどアッサリと引き下がる。ポストにチラシすら残さない人もいた。開口一番に「間違えました」と言って去っていくものすらいた。こういう姿からは、何かを売ろうという熱意がまるで感じられない。
 業者の動きを監視していると隣家には目もくれず我が家のインターホンだけを押していくことが多い。訪問販売ならすべての家を回るのが基本。そうしないのにはなにか理由があるはずだ。周囲の家と我が家の違いは、インターホンにカメラが付いているかどうかぐらいだった。
 これらのことから我が家のインターホンを鳴らすのは、業者を扮って在宅時間を調べている空き巣の可能性も十分に考えられる。仮に在宅だったとしてもカメラがなければ面が割れない。時間を変えて何度でも下見することができるだろう。
 杞憂とも言える考えかもしれないが、自衛をして損はない。ということでカメラ付きインターホンを購入した。
 なお、我が家にはニート以上に外出しない在宅勤務のプロが居る。インターホンに反応しない時間はほぼ無い。