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傘の進化

by 唐草 [2020/10/29]



 「傘って進化してないよね?」というまとめ記事が目に入った。そこで紹介されていた傘の歴史は興味深かった。
 頭上を覆う傘状のものが初めて記録に現れたのは、4000年前のエジプトとかギリシャあたりらしい。当時の傘は閉じることができなかったし、棒付きの天蓋と呼んだほうが適切だったそうだ。
 傘の大きなエポックとなったのは、傘が記録に現れてから3000年以上経過した13世紀頃のイタリアでの発明。ついに開閉可能になった。これは革命的な進化だ。
 今の傘に通じる機構が開発されたのは18世紀のイギリス。それから約200年に渡って傘に大きな変化はない。もっともイギリスという国は100年前の写真を見ても、現代との違いを見つけるのが難しいぐらいに保守的な国。スーツがいい例だ。だから傘の進化が停滞していても不思議はない。
 見た目は変わらなくても、200年前と現代の傘を比べたら利便性はぜんぜん違う。折りたたみ傘もあるし、ワンタッチ傘もある。素材の進化で防水性や耐久性も上がっているし、軽く丈夫になっている。視界を塞がない透明のビニール傘も偉大な発明と呼べるに違いない。
 確かに進化しているが、雨を防ぐ能力と使い方は200年前どころか700年前から変わっていない。目まぐるしくテクノロジーが進化する現代においても傘は依然傘のまま。突風に弱いし、片手を塞ぐ。傘を閉じた後の水滴は今も昔も服を濡らしている。
 雨傘に進化する余地は残されているのだろうか?
 テクノロジーを組み込んだ傘に変わるものもある。頭上を自動追尾してくれる傘付きドローンはハンズフリーを実現したが、雨を防ぐのは傘のまま。他には風圧で雨粒を飛ばす送風機みたいな棒もあるが、片手は塞がれてしまうし、周囲の人はびしょ濡れになる。なにより、これらの発明はエネルギーが必要。その点だけでも傘に遠く及ばない。
 やはり傘は究極バランスを備えた完成形なのだろうか?この事実を否定するのは難しいが、認めてしまったらぼくらの進歩はそこで終わる。雨に濡れながらも未来に向かって進んでいこう。

参考:https://intojapanwaraku.com/culture/45838/