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2020+1

by 唐草 [2020/09/05]



 信号待ちをしているとき、ぼくの前に立っていた人が黒いトートバッグを手に下げていた。バッグには白で東京オリンピックのロゴと2020の文字がサイズいっぱいに大きくプリントされていた。その姿はまるで歩く五輪ポスターのよう。無理やり人の視界に割り込んでくるぐらいの主張の強いバッグだった。こんな目立つバッグを常用するのは、よほどのオリンピック好きか、役所関連の人ぐらいうだろう。
 もし新型コロナが猛威を振るわなければ、オリンピックもパラリンピックもすでに閉幕している。9月に入ってしまえばTOKYO 2020のロゴを見るのは、大会の輝かしい思い出を振り返るときぐらいになっていただろう。でも、そうはならなかった。前代未聞の1年延期となったままだ。
 今のところ1年延期プランに変更が生じたとは聞かない。1年延期が現実な対策なのかは分からないが、各所が開催を前提に動いているようだ。内心無理だろうと思っている人もいるのかもしれないが、それを口にしたら負けという雰囲気が蔓延しているようにさえ感じられる。
 そんな訳でまだまだロゴを目にする機会が続きそうだ。
 計画通りに事が運び来年2021年の夏に東京でオリンピックが開催されたとき、その大会はなんと呼ばれるのだろう?
 あくまでTOKYO 2020と称すのだろうか?それとも1年延期になったことを受け止めてTOKYO 2021と改称するのだろうか?大会の名称を変更するとなると様々な修正が必要になる。ぼくが見たTOKYO 2020ロゴを含めポスターやグッズに書かれた2020をすべてを修正しなくてはならない。
 ぼくとしては1年延期したということを記録に残すためにも2020から改称して欲しいと思っている。とは言え、ただ単に2021にするだけではインパクトが弱い。コロナを忘れるぐらい時が流れたとき2021の文字を見てもなにも思わないだろう。
 そこで「2020+1」を提案したい。
 これなら1年延期したことも伝えられるし、なにより既存ロゴに手を加えずに修正ができる。ちょっと不格好になるが、落ち着きのないロゴのバランスに今の空気感が反映されているとも言えるだろう。