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200km達成ならず(たぶん)

by 唐草 [2020/08/31]



 7月末から夜のサイクリングを再開した。これはぼくにとって季節の行事。始まりは、かき氷をより美味しく食べるための運動だったはず。力いっぱい自転車を漕いで熱々になった体で食べるかき氷は格別だ。
 とは言え、夜な夜な激しい運動に時間を費やせたのは気ままな在宅ワーカーだったから。勤め人になってからは通勤で多くのエネルギーを消費してしまうため、夜の運動に精を出す余裕はなかった。だから去年、十年以上使ってきたかき氷機を処分した。もう夜のサイクリングとかき氷は、若き日の思い出として胸の中にしまっておく存在になってしまったんだろうと考えていた。
 ところが、コロナの襲来で人々を取り巻く環境は大きく変化した。多くが望まぬ変化であったが、すべてがネガティブな変化であったわけではない。苦境にチャンスを見出し新たな生活リズムを自分のものにした人もいるだろう。
 ぼくにとっては、夜のサイクリング再開の大きなきっかけとなった。
 在宅勤務と自粛のダブルパンチで自分の体が自分のものとは思えないほど衰えてしまった。その危機感が、毎晩10kmぐらい自転車に跨る生活再開の呼び水となった。当初の目的は体のリフレッシュにあったが、心のリフレッシュにもつながった。家が大好きなぼくでも、やはり外に出ないとダメだようだ。家にいるだけだと徐々に錆びていく水道管のようにゆっくりと自分の内側が朽ちていく気がする。そして走ると錆がボロボロと剥がれていく気がする。
 自転車に乗るのは22時以降。人を避けるのが最大の目的だったが、日が落ちてもなお暑い8月の熱気を避けることにもつながった。蝉の大合唱の中走っていると何時なんだか分からなくなる。体が慣れないうちは汗のコントロールに失敗して熱中症一歩手前になったこともあった。常識の通じない8月を走り抜けてきた。
 夜のサイクリングは、気ままなサイクリング。ペースもコースもその日の気分次第。でも、1つだけ目標を立てていたことがある。8月中に累計で200km走ろうと思っていた。
 残念ながら、悪天候や睡眠不足(原因は夜ふかし)に邪魔され惜しくも目標達成は叶わなかった。今日が8月最後のチャンスだけど、ちょっと空模様が怪しい。帳尻を合わせるべく40kmぐらい走るより、雨雲を見つめて終えるほうがぼくらしくもある。