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PCはゴキゲンナナメ

by 唐草 [2020/08/25]



 一般的に「デジタル」と言うと0と1しかなく融通の利かないものという印象がある。一部の趣味的な世界で「デジタルは面白みに欠ける」と言われているのを耳にしたこともある。でも本当にデジタルの世界は、ぼくたちがイメージする通りの白黒がハッキリしたオセロの盤面のような世界なのだろうか?
 手元にあるスマホやPCを見つめ直してほしい。0と1だけの世界の製品と言う割には、不可解な挙動を示すことが多くないだろうか?
 ぼくのようにPCに囲まれた生活を送っていると頻繁になんらかのトラブルを目にする。原因の多くは使う側の人間が曖昧なアナログだということにある。正しくない手順で作業を進行したり、操作がちょっとずれたりという些細なことの積み重ねが不可解な結末へと繋がる。コンピュータが人間のミスをそのまま受け取ってしまうことの結果だ。これを融通が利かないと捉えるか、どこまでも忠実だと考えるかは意見の分かれるところかもしれない。
 だが、ときにまったく原因を推測できないエラーに見舞われることがある。先週末は、オカルトだと考えたほうが納得できるような問題に頭を抱えていた。
 突如ネットワーク経由のファイルアクセス速度が低下してしまったのだ。100 byteぐらいの小さなファイルを開くのに5秒ぐらいかかっていたから、1/100以下に速度が低下した計算になる。いや、1/1000と言っても良いかもしれない。
 1ヶ月以上安定稼働していたのに何が起きたというんだ。思いつく限りの項目を見直し再設定してみたが、状況は一向に改善しなかった。八方塞がりな状況を目にしていると「ちゃんと動いていた」という事実が、ぼくの思い違いだったのではないかという足元が揺らぐような不安に駆られてしまう。
 万策尽きて倒れ込んでいたのだが、夜遅くに気まぐれにアクセスをするとすべてが元通りになっていた。修正が時間をかけてジワジワと効いたのだろうか?それとも不調がぼくの幻覚か思い込みだったのだろうか?何もしていないのに壊れて、何もしていないのに直った。
 デジタルの塊を相手にしているとは思えない曖昧な展開に困惑の色が隠せない。64bitのデータが64GB格納された世界なんて、もはやアナログと同等の解像度である。