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夏の自然体を目指して

by 唐草 [2020/08/14]



 気温が35℃を超えると体に堪えるものがある。素足で歩くと屋内の床すら熱い。でも、この暑さに不満をぶつけるつもりはない。むしろ心のどこかでは「これでこそ夏本番」と夏を満喫している。先月の長雨よりはずっとマシだ。
 生命に危険を及ぼす気温に対してずいぶんと呑気なことを言っていられるのには訳がある。ぼくは冷房の利いた涼しい部屋にこもっていられるからに他ならない。ガラス1枚隔てた向こう側がどんなに危険でも他人事のように眺めていられる。もっとも冷房の効いた部屋にこもっているぼくの振る舞いを「夏を満喫している」と呼んで良いのかは疑問が残るが。
 文明と科学の力を借りて暑さをしのいでいるぼくだが、ときに自然への回帰に思いを馳せることもある。夜になれば多少気温が下がるので、寝るときぐらいは冷房を消したいと思ってしまったのだ。これが昼の暑さを経験してない知ったかぶりの発想だということだとも知らずに…。
 昨晩は冷房を止めてベッドに入った。床に就いたときは風が入ってきていたので、すぐに寝てしまった。ここまではすべてがうまくいっていた。
 だが、今朝の目覚めは最悪だった。目覚めという表現は相応しくない。寝ていられなくなったので目を開けてしまっただけと言ったほうが適切だ。時間を確認しようとスマホに手を伸ばすもつかめず落としてしまった。どうにか時間を確認すると5時間ぐらい寝ていたらしい。
 正直言って5時間も寝た気がしなかった。1時間ぐらい昼寝をしたところで、体を揺さぶられて無理やり起こされたようなダルさに襲われていた。たぶん暑さに襲われて不快感を感じながら浅く質の悪い眠りを続けていたのだろう。
 冷房を止めて自然のリズムを体に取り戻そうと考えて寝たはずなのに結果は最悪だった。体温調整のリズムどころか、睡眠のリズムさえ失ってしまった。自分が文明の利器によって生かされている貧弱な存在だということを痛感した朝だった。熱中症にならなかったのが幸運だと言える。
 と言う訳で、さっきまで冷房が効いた部屋で昼寝をしていた。この堕落こそ、ぼくのあるべき姿のようだ。