カレンダー

2020/08
      
     

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

雲に乗る

by 唐草 [2020/08/06]



 データはなんの前触れもなく消えるものである。今までに何度も痛い目にあってきた。だから学生相手に「PCが壊れてレポート消えたと言っても信じないからバックアップは三重以上に取っておけ」と常々言っている。だからと言って、ぼくのバックアップ体制が完璧という訳ではない。
 先日のハードディスク故障のときに被害がゼロで済んだのは、こちらの体制がベストだったからではない。むしろ、壊れたのが奇跡的と呼べるほどに都合の良いタイミングだったからに過ぎない。要するに運が良かっただけである。
 こういうめったに起こらない危機的状況に陥って初めて問題への対処方法を考え始める。いつでも後手後手な防災対策を講じる腰の重い行政の対応と何ら変わりがない。
 どんなバックアプポリシーを描き、どんなハードやソフトを導入すればよいのだろうか?
 バックアップの世界は奥が深い。コンピュータの部品が壊れる限り完璧は存在しない。だから、二重三重に冗長化を重ねてどこかが壊れても平気な状態を作り上げていくことになる。それは底なし沼に飛び込むのと同じ終わりのない世界でもある。
 ハードディスク2重にすれば片方壊れても大丈夫だ。しかし、同じPC内だと電源トラブルで2台同時に壊れることもある。だから、ハードを分離しないと安心できない。この発想が泥沼の始まりである。バックアップのバックアップは必要なのか?負荷分散をするためにシステムの冗長化は必要なのか?不安に蝕まれた心を守るために要塞のようにハードを並べることになってしまう。
 現実的に考えて個人でバックアップのバックアップができるシステムの冗長化なんて導入することはできない。そんなことをしたらコンピュータの隙間で生活する毎日になってしまう。もはや人間を辞める覚悟は必要になる。なにより、それだけの機器を購入する予算もない。
 可能な限り安価にデータを守りたければ、クラウドを併用するしか道はない。自宅サーバ愛好家としてクラウドに頼るのは負けに思えてならない。しかし、大切なデータとちっぽけなプライドを天秤にかければ答は火を見るより明らかである。
 と言う訳で、このブログもGoogleドライブにバックアップを残すことにした。これでデータ完全消滅の不安からは逃れられたはず。