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何回洗えるのか?

by 唐草 [2020/07/09]



 マスクを手放せない状況が続いている。もしマスクを身に着けずに駅に行けば、感染のリスクも怖いが、それ以上に自身の正義を振りかざす独善的な人に攻撃されてしまいそうだ。もちろん不用意な振る舞いは、自分ばかりではなく社会全体に悪影響を及ぼしかねないことは把握しているつもりだ。それでも目に見えないウイルスよりも怖いと感じる人がいそうに思えてならない。
 なんだか最近ではウイルスを避けるためではなく、世間からの非難の目を避けるためにマスクを忘れないようにしているきらいがある。もはやマスクは医療用品のひとつというよりも、戦国時代の雑兵が敵味方を区別するために掲げていた旗のようなものという認識が強い。だから今日もウイルス感染を防ぐよりも、歪んだ正義にグサリと背後から刺されないようにマスクをして街を歩いている。
 ぼくのマスクは、騒動の直前に買っていた不織布マスクだ。花粉もウイルスも確実にガードできるすぐれものだが、この季節に身につけるにはあまりにも暑い。自分の呼気で熱中症になっても不思議はないほどだ。気がつけばマスクは汗で湿っている。冬場には経験したことのない不愉快極まりない感覚である。
 本来は使い捨ての不織布マスク。汗で湿ったら捨てるのが正しい選択だろう。だが、マスクの価値が上がった今、使い捨てをできるほどの精神的余裕はない。100枚の備蓄があったとしても1度で捨てるなんて絶対にできない。ケチだとか不潔だとか罵られても、限界までマスクを使い倒したいと考えてしまう。
 だから、ぼくは使う度に不織布マスクを手洗いしている。数度洗ったらアッサリと壊れてしまうだろうと考えていたのだが、この予想は嬉しい意味で裏切られた。2,3度石鹸で洗った程度では、マスクはびくともしない。立体加工の折り目は、くっきりと残っている。このまま洗い続ければ、不織布マスク1枚で数ヶ月は乗り切れそうにさえ思えてくる。
 ネットには洗っても良いが表面が毛羽立ってきたら交換時と書かれていた。不織布なんて初めから毛羽立っているものではないのだろうか?ますます判断基準が分からなくなってきた。
 今日、試しに新しい不織布マスクを下ろしてみた。肌触りが全然違っていた。洗ったマスクはケバケバだった。この感じだと洗うのは4回が限界ってところだろうか?