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どこかで開幕

by 唐草 [2020/07/06]



 一旦収束に向かったように見えたコロナ感染拡大だったが、残念ながら第2波を迎えてしまったようだ。制限緩和が人々の油断に繋がったのかもしれない。だが、制限緩和しなければ、経済的な理由で生活が立ち行かなくなってしまう人もいるだろう。人命優先の厳しい制限と経済優先の緩和のどちらに舵を切っても犠牲を払うことになる。今はまさに「トロッコ問題」のような状態なのだろう。
 トロッコ問題ではどちらか一方を必ず選ばなくてはならない。でも、現実に目を向けると2択しか無いと思い込むこと事態が大きな間違いなのではないだろうか。今必要なのは「ポイントを途中で止めてトロッコを脱線させる」というようなトンチの利いた柔軟な発想なのかもしれない。
 そう考えた時、プロスポーツはどんな立場を取るべきなのだろうか?昨日、2ヶ月以上遅れて開幕したF1のニュースを見ながら、そんなことを考えてしまった。
 オーストラリアからオーストリアへと場所が変わったF1の開幕戦。モータースポーツだけれども、他のスポーツ同様に無観客試合となった。競技に関わらずスタジアムやサーキットで熱狂するファンの振る舞いは同じだからだ。現状なら無観客がベストだ。
 とは言え、これは一時的な措置。徐々に観客を戻す試みが検討され始めている。日本でもプロ野球やJリーグで観客動員の計画が語られている。広いスタジアムに5,000人程度の収容なら理屈上十分にソーシャルディスタンスを確保できるだろう。でも、そんな状態で試合を観戦して楽しいのだろうか?テレビでも見られる試合なのにわざわざ現地へと足を運ぶのには、現場でしか味わえない興奮があるからだろう。それにはスタジアムの一体感とかが含まれているだろう。
 一方でプロスポーツを興行の面から見れば、お金を稼がなければ始まらない。高潔なスポーツマンシップの精神だって、興行が成功しているからこそ発揮できるものだ。だから、1日でも早く、そして1人でも多くの人をスタジアムに呼び戻すことは急務のように語らている。
 でも、本当に元に戻そうという発想でいいのかな?
 ぼくは、これまでのゴタゴタのせいで今年のF1開幕戦への興味を完全に失っていた。冷めた心をもう一度温めるためには、徐々に元へと戻すだけでは既に手遅れなのかもしれない。