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修理がトドメに

by 唐草 [2020/06/09]



 愛用のサンワサプライ製大玉トラックボールの調子が悪くなっていた。ボール操作に問題はないけれど、スクロールホイールの動きがおかしかった。ホイールをクルクルと回すと逆方向にスクロースしてしまうことが多発していた。そのせいで大量にスクロールすると所々で引っかかるような動きになる。1入力分だけ動かすのは至難の業で、いっそ逆向きに回した方が良いようなありさまだった。
 この3歩進んで2歩下がるような動きは小さなことだがイラッとくる。日に何十回も起きるし、その度に集中を妨げられる。小さなストレスの蓄積がジワジワとぼくの心を蝕んでいた。
 10年以上使っているのでガタが来ていても不思議はない。同型モデルに買い替えたいところだが、あいにく廃盤になっているのでその願いもかなわない。メンテして延命していくより他にない。
 スクロール不具合の原因は想像できている。猫毛を中心としたホコリの塊が、ホイール軸に絡みついてセンサーの働きを邪魔しているに違いない。内部の清掃は4年ぶりなので、きっとひどいことになっているだろう。
 トラックボールの中から毛玉が吹き出すことを想像しながらネジを外していった。むき出しになった基板には大量のホコリが積もっていたし、ホイールの軸は毛糸のカバーが付いているようだった。ピンセットで丁寧にホコリを取り除いたらホイールは復活した。
 ついでに他のところも掃除しておこう。ボールを支えるベアリングには手垢由来と思われるおぞましい汚れが積もっていた。ゴミを吹き飛ばして清掃完了。ネジを締めてすべてが元通りになった。
 と思ったのだが、今度はボールの動きを拾わなくなってしまった。トラックボールとしていちばん大切な機能を失ってしまった。余計なところまで清掃したせいで、どこかに致命傷を与えてしまったのだろうか?以前に同じようにマウスを壊したことがある。またしてもやらかしてしまったのだろうか?
 この推理は半分正解だった。
 ボールの動きを拾えなくなったのは、ベアリングの位置がズレたから。ベアリングの受け部分が摩耗して痩せていたのだが、汚れがその摩耗を埋めていた。掃除がカサ増しの埋草を取り払ってしまったことが致命傷に繋がった。
 減った分をマステで埋めて応急処置完了。一応復旧したが、今度は左クリックの入力がイマイチになってしまった。もう満身創痍である。