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ノイズをなくせ

by 唐草 [2020/05/16]



 来週から誰も望まぬオンライン授業が始まる。サーバ管理者でもあり授業も担当しているぼくとしては、気が気じゃない1週間が始まるのだろうというプレッシャーに襲われている。
 ぼくの授業はグループワークが主体。リアリタイム授業の必要性は感じていないのだが、講義責任者から「Zoomを活用して教室で実施するのと同じクオリティーの授業をしろ」と注文が入った。そんな無理な注文を聞いていたら、こちらの身が持たない。でも、注文を無視しているのがバレるとまずいので、お手軽なリアルタイム授業を実施してお茶を濁すことにした。
 昔からSkype会議をよくやってきたので、オンライン会議は勝手知ったるもの。授業もその延長線上にあるものだと考えて問題はないだろう。ということは、共通の問題も起こるということだ。
 それがノイズである。ノートPCの内蔵マイクを使うと操作音を拾ってしまう。キーボードを叩くとドカドカと鈍く重い音が響き渡る。ぼくは内蔵マイクではなくヘッドセットを常用しているが、音を拾う感度が高いので呼吸音が入りやすい。どちらのマイクでも衣擦れや椅子の軋み、マウスのクリック音なんかもよく聞こえてしまう。
 試しに自分の中継を自分で聞いてみたのだが、それはそれはひどかった。ぼくの眠そうで聞き取りにくい声は、生活ノイズの奥に隠れてしまった。これでは、聞く側がいくら音量を上げても声は届かないだろう。
 状況を改善するには、マイク感度をあえて下げてマイクの近くで喋る必要があった。ノートPCの上に頭を置いて喋るのは無理なので、ヘッドセットを手に持ってみた。すると今度は息がマイクに当たって強風の中で喋っているようだった。
 録音スタジオのマイクの前に、丸いブレスガードが置いてある理由が初めて理解できた。同時にYouTuberなどがマイクにこだわる気持ちも理解できた。
 だが、今から本格的な機材を揃える時間はない。ぼくにできることは、家にあるものを再利用して即席マイクを作ることだけだ。
 その結果完成したのが、今日の画像。自立式虫眼鏡のレンズを抜いて、ブレスガード代わりの紙をマステで固定。これをマイクスタンドにする。紙の裏面に有線で動くヘッドセットを吊るし、USBケーブルはクリップとビニールテープで留めて即席マイクの完成だ。チープな見た目とは裏腹にそれなりに効果は出た。
 知恵を働かせジャンクで困難を乗り切る。なかなかどうして、これが楽しい。