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集中負荷テスト

by 唐草 [2020/05/12]



 オンライン授業初日からトラブルに見舞われる大学も少なくないようだ。有名大学だとニュースでトラブルを報じられてしまっている。そんな大学のネットワーク管理者のことを考えるとぼくも他人事に思えず胃が痛くなってしまう。
 先日、ぼくは自主的に職場のサーバにアタックを行った。誰からの許可も得ていないが、管理者権限の緊急負荷テストと言い張って断行した。結果は先週書いたとおり期待を大きく下回るものだった。同時接続1,500人を実現して、1秒間に5,000人ぐらいをさばけるように設定したはずだった。それなのに同時接続500人でエラーが出てしまった。
 この結果は、ぼくを大きく落胆させていた。職場のサーバにはカラクサラボで得たノウハウがすべて注ぎ込まれている。個人の弱小サーバと大きな組織のサーバでは、スケールの違いが指数関数のように大きな差を生み出してしまうのだろうか?ぼくの秘伝チューニングは、ここでしか通用しない技でしかないのか?
 大きな敗北感を感じながらも、同時に負けを認めたくもなかった。だからネットワークの設定を片っ端から確認していった。その結果、雑な実験がネットワークのセキュリティーに引っかかっていたことがスコアを落とした理由だと判明した。つまり、ぼくのチューニングはまだ負けたと決まったわけではなかったのだ。
 今日、正式な負荷試験が実施された。急な開催だったが約600人もの人が集まってくれた。前回ぼくがハマった500の壁は超えている。試験としては十分な人数である。
 負荷試験では、ぼくが用意した様々な操作を時間に従って行っていく。盛大な障害物競走のようなものだ。テストごとにCPU負荷やネットワーク負荷が観察できるようになっている。ぼくは小さなターミナルの画面に表示される味気のない数字を固唾を呑んで見守っていた。
 テスト参加者の感想は「途中でエラーが出た」というものだろう。
 でも、ぼくの感想はまったく別だ。大勝利である。
 エラーが出たのはデータベースのチューンが適切でなかったから。データベースはぼくの管轄ではない。ぼくが磨き上げたPHP向けハードチューンのApache Webサーバは、CPUこそフル稼働になったが、メモリは完全に計算通り動作した。カラクサラボのマル秘テクニックが数百人の猛攻に耐え切ったのだ。これを勝利と呼ばずしてなんと呼べばいい?