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道具の大切さ

by 唐草 [2020/03/12]



 今日は、取り組んでいる作業が仕事なのか、それとも趣味なのかを自分でも判断できなかった。仕事であろうと、趣味であろうとひとつだけ確かなことがある。今日のぼくは、この3年ぐらいで一番活き生きしているということだ。オタク魂が燃え上がり、その照り返しで頬は赤くなっている。顔は気持ち悪くニヤけているのが自分でも分かる。
 ぼくの目の前には、総額数十万円の高級PCパーツがゴロゴロ転がっている。最上位のパーツが、全て揃っていると言っても過言ではない。PCオタクにとっては宝の山である。ぼくの気分は、さながら札束の風呂に浸かっている成金のよう。自然とニヤけるのも仕方ない。
 羨望の眼差しで高級パーツを眺めているだけではない。今日の作業はPCを組み立てることである。見ているだけでも満足できるようなパーツを次々に箱から取り出して、自分のPCを作っているかのように組み立てを進めていった。
 PCを組み立てるのは簡単だ。ハッキリ言ってプラモデルより簡単。それでもオタクにはオタクのこだわりがある。最高級構成にふさわしい美しい配線を目指してケーブルの通し方に全身全霊を注いでいた。
 趣味と仕事が完全に合致して他人の金で遊んでいるという感覚しかなかったぼくだったが、ある一瞬の出来事で現実に引き戻された。
 ネジを回そうとしたら、ドライバーが空回りしたのである。
 やばい、ネジ穴が潰れてしまう!ドライバーの空回りは、肝を冷やすし、イヤな汗が出る。組み立てるのが簡単とは言え、相手は精密機器。ネジが潰れてしまうと取り返しのつかない場合もある。慎重に作業を進めなくてはならない。
 よく見るとネジ穴とドライバーのサイズが微妙に噛み合っていない。そのせいで、いくら力を込めても噛み合ってくれないようだった。
 ドライバーの先をつぶさに観察すると、なんだか歪んでいるように見えた。当然である。だって、ぼくが手にしていたのは100均のドライバーだったんだから。そのことに気がついたぼくは、備品庫からまともそうなドライバーを持ってきた。
 今度は吸い付くようにドライバーとネジが噛み合っい、何事もなくなめらかに回りだした。
 やっぱり、道具って大切だな。精密機器を相手にするんだから、まずは道具を整えるところから始めないとなぁ。高級パーツに浮かれて基本を忘れてしまっていたようだ。