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品切れになったのは

by 唐草 [2020/02/28]



 先日、「マスクの次に品切れになる商品は何になるだろうか?」という話を書いた。ぼくの予想は保存食か解熱剤だった。これはコロナウィルスがパンデミックに陥り、多くの人が自宅療養を余儀なくされる日が近いうちにやってくるだろうという予想に基づいた推測であった。
 残念なことにぼくの予想は外れてしまった。
 報道されている通り、一昨日ぐらいからトイレットペーパーとティッシュペーパーの買い占めが起きている。今日は近所のスーパーでも売り切れていた。まさかこんな買い占めが起きるなんて、これっぽちも想像していなかった。
 ことの発端は「マスク増産でトイレットペーパーの原材料が不足する」というデマらしい。考えれるまでもなく、マスクは綿や化学繊維でできていて、ティッシュやトイレットペーパーはパルプが原材料だ。マスク生産とティッシュ生産に相関関係なんて何も見いだせない。マスクとティッシュに共通する点なんて、百歩譲っても薄くて白いぐらいのことしかない。
 デマに躍らされてティッシュを買い込む人々の姿をSNSなどで見ていると、社会の教科書に掲載されていた現代史の写真を思い起こす。オイルショックのトイレットペーパー買いだめ騒動だ。これも結局は根の葉もないデマだった。歴史を振り返ると日本人は、1970年代のオイルシックのときからなにも成長していないと言わざるを得ない。
 それにしてもなぜティッシュなどが買い占めの対象になったのだろう?マスクの需要が急激に高まったのは、病気に罹りたくないという気持ちから生まれたヒステリーのようなものだと理解できる。ぼくだってそのヒステリーの渦中にいたひとりである。でも、ティッシュへの渇望はどうしても理解できない。
 ひとつの仮説として花粉症が考えられる。マスクを購入できずに苦労した花粉症患者がデマに踊らされてティッシュの確保に走ってしまい、その姿が多くの人を扇動してしまったのではないだろうか?だとすれば、次の売り切れ商品は目薬か洗眼薬になるかもしれない。いや、きっと違う。パニックは、こんな道筋だった推論の先には起こりえない。
 ぼくらは、自分たちが自分で思っている以上にバカなんだと思い知らされた買い占めのニュースであった。