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熱風扇風機

by 唐草 [2020/01/22]



 以前にも書いたが、ぼくの部屋では冬なのに扇風機が大活躍している。扇風機が部屋の空気をかき混ぜてくれるので、天井付近の暖かい空気も、足元の冷たい空気も淀むことなく動いてくれる。そのおかげで、エアコンが部屋の一部だけを暖めて満足気にエコモードに移行することもなくなったし、ぼくも布団を被って寒さに震えることもなくなった。
 効率よく空気の撹拌を行うために扇風機はメタルラックの上に置かれている。ぼくの顔の高さより少し高い位置で首を振り続けている扇風機には、ちょっとだけ威圧感がある。
 エアコンからの熱風は、扇風機の後からファンに吸い込まれて部屋の隅々まで送られる。別の見方をすると発熱するモーターに追い打ちをかけるように熱風を当てていることになる。なんとも無謀な使い方をしているように思えてきた。
 以前、扇風機火災の映像を見たことがある。映像ではモーターから火が出ていた。モーターが発火につながる熱源だという証拠である。
 扇風機の背面には、たくさんのスリットが入っている。モーター冷却用の空気の通り道だろう。やはり熱風をモーターに直接当てるのは、まずそうだ。いくら部屋が快適になるからと言って、出火のリスクを追う気はない。
 不安に駆られたぼくは、エアコンの送風口に理科室にありそうなガラスの温度計を突っ込んだ。温度が気になるとどんなものにも温度計を突き立ててしまうのは、ぼくの性である。
 フルパワーで稼働する送風口からは49℃もの熱い風が出ていた。温度計を持つ手を少し離さなければならないほどの高温だった。これはまずいんじゃないか?夏用に設計された扇風機でも50℃は動作保証外だろう。
 火災の危険がぐっと身近になったように思える。エアコン+扇風機のコンボも今日限りか?
 一応、モーターカバーの温度も測っておこう。扇風機の首振りを止めることに思い至れなかったぼくは、首振りに合わせて温度計を動かすという知性の低さを惜しむことなく発揮して計測をした。
 送風口から約50cm離れたモーターカバー表面は37℃だった。なんだ、そんなもんなのか。暑い夏の室温より低いじゃないか。結果に拍子抜けしてしまった。これならエアコン+扇風機を継続しても問題なさそうだ。一安心である。
 締め切った真夏の部屋ってフルパワーで稼働するエアコンの吹き出し口から50cmの位置より暑いのか。その方が驚きである。