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超新星爆発カウントダウン

by 唐草 [2020/01/07]



 ここ最近、ベテルギウスの超新星爆発の話題が再燃している。今度こそ超新星爆発の予兆が現れたという主張が、天文マニアの間だけでなく一般まで広がってきている。
 オリオン座の一角を成すベテルギウスは、だいぶ前から超新星爆発間近と言われてきた。どんな根拠を元にそのような結論が出たのか、ぼくにはサッパリ分からない。それでもぼくは、超新星爆発の話題を聞いて大いにワクワクしている。何を隠そうぼくは首を長くして超新星爆発を待っているのである。
 恒星の最後を彩る超新星爆発。無限の広大さをもつ宇宙全体を見ることができるのなら、超新星爆発なんて電球が切れる程度のことで取り立てて珍しい現象でもないのかもしれない。でも、でも小さな地球から、しかも肉眼で観測可能な領域で起きるなんて、それは激レアな天体イベントである。人類の歴史を紐解いても超新星爆発と思われる天体イベントは、数度しか確認されていない。前回の記録は平安時代まで遡る。つまり1000年に1度ぐらいの激レア中の激レアのイベントなのである。
 そんな稀なイベントが目前に迫っていると知ったら、なんとでもこの目で見届けたいと思うのが当然のことだろう。
 最新の観測では、ベテルギウスが暗くなっているらしい。これは爆発直前で核融合が衰えてきた証拠とも考えられるそうだ。その一方で、ベテルギウスは数年の周期で明滅を繰り返しているので、今がちょうど暗い時期だという冷静な意見もある。
 正しいのは、どちらなのだろう?
 「すぐに爆発が見られるよ派」も「爆発はまだ先だよ派」も共通した意見を持っている。それは、地球から600光年以上離れたベテルギウスは、すでにもう爆発しているということだ。爆発の最初の光が、600後年の長い隔たりのどこにいるかで揉めているに過ぎない。
 星と星の距離で600光年というのは近いほうだろう。でも、人間のタイムスケールでは絶望的に遠い。爆発が500年前だったら、ぼくは世紀の天文ショーを目にすることなく命を終えることとなる。
 本当に1000年に1度の激レアイベントを奇跡的なタイミングで見たい。昼までの肉眼で見えると言われる爆発の光をこの目に焼き付けたい。すべての星座の中でもっとも見つけやすいオリオン座が崩れようとも世紀の瞬間を待ちわびている。
 なお、ぼくはオリオン座のどの星がベテルギウスなのかを知らない。にわかだと笑え。