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SDカードを探せ

by 唐草 [2019/12/08]



 ラズパイはSDカードを記録メディアとして使う。OSからデータまで何もかもが小指の爪ほどのmicro SDカードの中に収まっている。自分でセットアップしたというのに、いまだにSDカードで動いていることに驚きを隠せない。
 それは、SDカードをメインドライブに据えているラズパイへの驚きだけではない。OSをインストールするのに十分な容量と読込速度まで進化したSDカードへの驚きもある。ぼくにとってSDカードは、デジカメやPSPの記憶装置だった。写真を保存したり、セーブデータを残すためのメディアでしかなかった。気がつけば手元にデジカメも携帯ゲーム機もない。残ったのは脇役だったSDカードだけである。
 時代の変化に飲み込まれず生き残ったのは、SDカードにたゆまぬ努力と進歩があったからだろう。先日、ラズパイ用に購入したmicro SDカードは、Class-10 SDHCと書かれていた。性能だけでなく名称まで進化している。技術仕様がよく分からなくても、すごそうに見える名前だ。まるで自動車のグレード名のよう。このままSDカードが生き残れたら、数年後にはもっとすごい名前になっているに違いない。少し楽しみである。
 ぼくが買った32GBの大容量カードは、システムを保存するには十分なサイズだ。それでも、うず高く積み上げてきたゴミとの見分けが難しい画像やプログラムを保存するには足りない。今では500GBのハードディスクにその座を譲っている。
 その結果、買ったばかりの32GBのSDカードには、起動のために必要な50MBちょっとのデータが残されるだけとなってしまった。これって、なんだか容量がもったいない使い方だ。1GBのカードでこと足りるんだから適切なカードに切り替えよう。そう考えて、家中を引っ掻き回した。
 ぼくのイメージでは様々な容量のmicro SDカードが、大当たりのスロットマシンから飛び出すコインのように出てくるはずだった。出てきたのは1GBのカードが3枚と16GBのカードが1枚だけだった。ノーマルなSDカードやメモリースティックなど他メディアも期待したほどなかった。
 これらを活用していた当時、容量不足のたびにカードを買い足すことはしていなかった。PCにデータを退避させることで慎ましくやりくりした。同じカードをとっかえひっかえ使っていたので、何十枚ものカードを持っていたような錯覚を生み出してしまったのだろう。
 カードの容量に時代の移ろいを感じずにはいられない。