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長さと角度

by 唐草 [2019/07/15]



 久しぶりにマウンテンバイクに乗ったら肩が凝ってしまった。日頃の運動不足がたたったという側面もあるが、それだけではない。実は乗る度にひどい肩こりに見舞われているのである。おそらく原因は、ぼくだけではなく自転車の方にもあるはずだ。
 今乗っているマウンテンバイクは、譲り受けた中古の自転車である。前のオーナーが凝り性だったせいか、すべてのパーツをバラバラの状態から組み上げた自作自転車である。そのおかげで、前オーナーの体型にベストフィットするようなパーツ構成となっている。背の高さはぼくとたいして変わらないはずなので理屈上はぼくも問題なく乗りこなせるはずである。でも、うまくいっていない。
 乗る際の姿勢の好みが全然違うからだ。ぼくは、ロードレースの選手のように空気抵抗が少ない前傾姿勢で乗るのが好きだ。しかしパーツの構成は、大型スクターに乗る人のようにどっしりと腰を据えて前を向いて乗る人向けの作りとなっている。オフロード自転車であるマウンテンバイクとしてはそれが正しいのかもしれないが、ぼくは好きじゃない。
 普段ママチャリに乗っているだけでは、サドルぐらいしか体型に合わせて調整する場所はない。自転車のパーツを変えて乗る姿勢を調整するという話自体が縁遠い話に聞こえるかもしれない。マニアと言うかオタクの世界はどのジャンルでも底なし沼なのである。無論自転車もそうである。
 マウンテンバイクを体に合わせるために改造するなら、ハンドル周りをいじることになる。と言ってもハンドルのバーそのものだけではない。より重要なのが、ハンドルとフロントフォークをつなぐステムと呼ばれる接合部である。このパーツは、体型や好みに合わせて様々な種類がある。
 ステムを換える際に重要なのが、長さと角度である。胴の長さに応じて適切な長さを選ぶ必要がある。そして、角度で姿勢が決まる。長さは3cmから12cmぐらいまで様々なものがある。同様に角度も6度ぐらいの緩やかなものから15度ぐらいの急なものまで細かな刻みで販売されている。しかも、逆向きにつければマイナスの角度としても利用できる。組み合わせを考えると、数百通りのステムがあることになる。長めで角度が緩いのが好みなのだが、自分の好みを数値では理解できていない。様々なステムを実際に取り付けて比べるまで、どれがベストかを知ることはできないのだ。
 ひたすらチャレンジするしか正解へと至る道はないようだ。我が家がステム博物館になる日も近いかもしれない。